2002 Fiscal Year Annual Research Report
生態系の復元と保全を目的としたパートナーシップによる大学の環境教育の展開と実践
Project/Area Number |
13680209
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Research Institution | Musashi Institute of Technology |
Principal Investigator |
小堀 洋美 武蔵工業大学, 環境情報学部, 教授 (90298018)
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Keywords | 大学の学際的実践教育 / 大学生の環境科学教育 / 生態系の復元と保全 / パートナーシップ / オーストラリア熱帯雨林の復元 / 横浜市の水系の移入種調査 / ニュージーランドの侵入種調査 / プログラムの開発 |
Research Abstract |
本年度は研究計画に基づき、以下の4つの研究プロジェクトを実践し、成果を得た。 1)日本の大学生を対象としたオーストラリアの熱帯雨林の復元・保全プログラムの実施 アサトン高原の熱帯雨林において、地域社会と結びついたパートナーシップによる熱帯雨林の保全と復元、孤立した熱帯雨林をつなぐコリドー建設のための植林、生育調査を主な内容としたプログラムを実践した。教育目標は1)現地体験学習、2)学際的アプローチ、3)問題解決能力の育成、5)国際理解教育とした。 2)オーストラリアの官・学・民のパートナーシップによる熱帯雨林の復元・保全活動の実態調査 オーストラリアの行政、研究・教育機関、環境NGOにおいてパートナーシップによる先駆的な熱帯雨林の復元・保全活動を行っている12の組織を平成14年9月に訪問し、インタビュー調査と情報収集により、その特性を明らかにした。 3)横浜市における淡水生態系の移入種の現状把握と問題点の検討 港北ニュータウンの淡水生態系に棲息している移入種のウシガエル、アメリカザリガニの現状把握を行った。ウシガエルは水深の深い一部の池にしか生息していなかったが、アメリカザリガニは調査した全ての水辺に生息しており、また、季節による明瞭な生活史があるため、今後パートナーシップによる駆除策にこれらの科学的な知見を活かせることが明らかとなった。 4)ニュージーランドにおけるパートナーシップによる侵入種排除のための先進事例の現地調査 移入種対策の先進国であるニュージーランドにおけるパートナーシップによる取組事例の詳細を明らかにするために平成14年9月に北島を現地訪問し、環境保全省の担当官、オークランド大学、IUCN移入種委員会、繁殖施設、公園管理者、実践活動家へのインタビュー、資料収集を行い、その結果に基づき、侵入種問題の日本での啓発教育や侵入種排除のために必要な要件を明らかにした。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 小堀洋美, 牧野優子, 高砂子昌久: "大学生を中心としたパートナーシップによる地域の水辺改善の実践"日本環境教育学会第13回大会発表論文集. 2C1045 (2002)
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[Publications] 小堀洋美: "保全生物学と環境情報-その研究活動・教育実践事例を中心にして"武蔵工業大学環境情報学部紀要. 4. 42-61 (2003)
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[Publications] 小堀洋美, 福田憲博, 厳網林, 加茂剛: "底生生物を生物指標に用いたIBI(Index of Biological Integrity)による東京都の主要河川の総合的環境評価"人間と自然(日本環境学会学会誌). 28, No.2. 63-73 (2002)
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[Publications] 小堀洋美: "IBI(Index of Biological Integrity:生物保全指数)に基づく東京都の主要河川の類型化とその特徴"武蔵工業大学環境情報学部紀要. 3号. 82-93 (2002)
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[Publications] 小堀洋美: "多摩川の絶滅滅危惧植物の回復を目指した復元生態学的研究"とうきゅう環境浄化財団研究助成報告書. No.224. 1-58 (2002)
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[Publications] 小堀洋美(分担執筆): "地球環境2002-2003<分担部分:3章熱帯雨林>"エネルギーフォーラム. 407(23) (2002)