Research Abstract |
教員養成の領域としての事象教授の教授学は,既成の専門分野を拠り所にできないため,大学では非常に新しい専門にかかわる問題であり,連邦のすべての講座或いは研究所においてまだ十分に整備されているとは言い難い状況にある。研究を難しくしている原因として,事象教授に潜在する専門科目に精通しているか否かという点がある。他方,教師は自然や社会の世界を子どもと共に学び,子どもの目線で,子どもと共に情緒的に認識的に行動的に知覚的に解明していくことも大切とされる。 基礎学校では,事象教授の中で主に環境教育が行われ,テーマ「水の供給と汚水処理」,「ごみ」など環境保護問題が強調されている。しかし,教員養成,現職教育,継続教育におけるこれまでの経験を踏まえて,「生活空間としての森」或いは「グローバルな環境問題」などのような生態学的に方向づけられたテーマも最近では増えている。また,「自然体験遊び」のような経験も重視されている。たとえば,ノルトライン・ヴェストファーレン州のミュンスター大学では,教職課程「事象教授-自然科学/技術」において,生態学的,環境教育学的に方向づけたプロジェクトを開発し,現行の履修規定や教育内容の枠内でそれらを実現しようとしている。プロジェクト「生態学を具体的に-地域の環境教育」では,共に行動して環境体験,環境理解,環境責任を促進することが重視される。大学教員と学生及び教員,学生,地域の関心のある市民の協同モデルとして,このプロジェクトは計画される。さらに,プロジェクトを実践するためには,充分な広さの活動フィールドを確保することが必要とされる。その活動フィールドは,生態学的,環境教育学的観点での感覚ガーデン,活動・経験の領域,ビオトープに関する多様な構造的経験フィールドの3つの要素を含んだ構想である。
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