2003 Fiscal Year Annual Research Report
ドイツ基礎学校における教科横断的・総合的学習-事象教授の教員養成-
Project/Area Number |
13680212
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Research Institution | Kyoto Women's Junior College |
Principal Investigator |
宮野 純次 京都女子大学短期大学部, 助教授 (00229874)
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Keywords | 環境教育 / 教員養成 / 事象教授 / 総合的学習 / 基礎学校 / ドイツ |
Research Abstract |
ドイツの初等教育段階である基礎学校では,事象教授Sachunterricht)のなかで主に環境教育が行われている。事象教授における環境教育の実践に関しては,(1)伝統的な環境保護教育,(2)生態学的な原理ないしシステムとの関わり,(3)自然体験志向の萌芽,といった3つの主要な方針を確認することができた。これまでは,環境保護の問題について強調され,テーマとして「水の供給と汚水処理」や「ごみ」がよく取り扱われてきていた。しかし,教員養成,現職教育,継続教育における経験を踏まえ,最近では「生活空間としての森」あるいは「グローバルな環境問題」などのような生態学的に方向づけられたテーマも増えてきている。また,自然体験遊びのような経験も重視されている。 大学における教職課程「事象教授-自然科学/技術」(ノルトライン・ヴェストファーレン州:ミュンスター大学)では,生態学的,環境教育学的に方向づけたプロジェクトを開発し,現行の履修規定や教育内容の枠内でそれらを実現しようとしている。プロジェクト「生態学を具体的に-地域の環境教育」においては,共に行動して環境体験,環境理解,環境責任を促進することが重視される。まず,大学を開放し,地域の学校,保護者,市民と協力したり,教員養成や準備勤務期間,現職教育をネットワーク化したりすることが試みられている。初等・中等段階の教員養成課程の連携を図るといった構想が,学際的にシステムを超えて追究される。また,様々な「専門家」の参加による生態学的に重点化された短期プロジェクトや自然に近い(学校)校庭の形成なども提案されている。 ドイツにおいては,教員養成の段階において,生態学的な視点を十分に取り入れた体験的な環境教育が構想され,実践されてきている。
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Research Products
(1 results)