Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大田 邦郎 千葉大学, 教育学部, 教授 (40176889)
中村 享史 山梨大学, 教育人間科学部, 教授 (70303394)
吉川 行雄 山梨大学, 教育人間科学部, 教授 (50281910)
高橋 純 富山大学, 教育学部, 講師 (10310757)
二宮 裕之 愛媛大学, 教育学部, 助教授 (40335881)
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Research Abstract |
本研究の目的は,教科数学において,学習者が自分の学習した結果を,図表,チャート,式,グラフ,文などで表現したり,情報交換したりする共同学習をすすめるための環境整備及びカリキュラム開発である。平成15年度は,平成14年度に引き続き,数学という教科に特有の式表現,図的表現,数学的アイディア等をスムーズに行うために必要なサーバおよびインターフェイスの開発のために,既存の学習用ソフトウェア,システムなどについて国内及び国外において広範な調査を継続した。 一方,数学についての学習支援者の組織化を行い,前年度に改訂した学習支援者向けガイドも活用しながら,山梨県下部町立下部中学校の「選択数学」における授業において,山梨大学大学院教育学研究科の学生や他学校の中学校教師による学習支援を,Web掲示板を使用して行った。また,学習支援者間の情報交換,相談のためのメーリングリストも設定した。「選択数学」においては,表計算ソフトウェアExcelのオートシェイプ機能を用いて,学習者が取り組みたい図形に関する課題を自ら設定・探究し,その経過をレポートにまとめる実践を行った。この実践の記録の分析により以下の知見をえた。 (1)生徒が,授業の時点で取り組んでいる課題に関する自分のアイディアを説明することに関しては,学習支援者と学習者との間のコミュニケーションについては困難がある。 (2)しかし,生徒が自分で取り組んできた活動を振り返ったり,書いたりすることにより,レポートにまとめる段階においては,学習支援者と学習者との間のコミュニケーションが比較的スムーズに行われ,学習支援者のコメントによる学習効果がみとめられた。 (3)上記の学習効果は,Web掲示板の基本的な機能の活用のみによっても得られる。
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