XMLを利用したコースウェア教材の共有化支援に関する研究

2003 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 13680248
• Research Institution: Chiba Institute of Technology
• Principal Investigator: 浮貝 雅裕 千葉工業大学, 情報科学部, 教授 (80118695)
• Keywords: XML / 教育支援システム / コースウェア / 教材共有化

Research Abstract

本研究では、XMLを用いてコースウェア教材構造の新たな定義手法を提案し、今後のコースウェア教材開発における標準的一手法を確立するとともに、インターネット上での教材の相互利用促進に寄与することを目的として開始された。XMLによる教材構造定義に際しては、単なる構造定義に留まらず、多様な学習者への対応を考慮に入れた枠組みを構造定義に反映させ、学習者適応型教育支援システム用途に適した教材実装を実現しようとしているところが特徴である。また、学習者個々に対応したバリエーションを設けやすいことから、ネットワーク管理者教育を具体的教材例に定め、検討を進めてきた。しかし、研究期間半ば頃になると、教材コンテンツのSCORM規格が急速に標準的地位を確立しはじめ、本研究のような独自の構造化手法の評価を仰ぐことが困難な状況となってきた。SCORM規格の現状は、本の目次構造程度の教材表現に留まっているが、高度個別教育への対応を見据えた仕様拡張が引き続き進められている。そこで、研究の最終年度では、XMLを用いた教材構造化と平行して研究を進めてきたネットワーク管理者教育用の学習環境構築について具体的な検討を行った。その結果、教材構造化とは別に、ネットワーク管理者育成のための新たな教育手法を確立するに至る成果を納めることができた。このように、技術の急速な進展に伴い、先に提案した独自仕様である教材構造に対応した評価システムを開発することは、色々な面から困難な局面を迎えることとなった。しかし、評価用に考えていた教材ドメインが幸いして、研究の比重を教育環境構築に移すことができ、新たな知見を得ることもできた。今後は、研究の初期段階に得られた知見も生かしながら、SCORM対応への方向転換を計るとともに、研究期間後半に得られた研究成果をさらに発展させ、実用的かつ共有可能な教材開発に取り組んで行く予定である。

Research Products

• [Publications] 浮貝雅裕(中川泰宏): "ネットワーク管理者教育における仮想マシンを利用した実践的学習環境の構築"情報科学技術フォーラム講演論文集. K-285-K-286 (2003)
• [Publications] Masahiro Ukigai(Yasuhiro Nakagawa): "An Innovative Hands-on Laboratory for Teaching a Networking Course"33rd ASEE/IEEE Frontiers in Education Conference. T2C-14-T2C-20 (2003)