2002 Fiscal Year Annual Research Report
聴覚・視覚障害者を対象としたウェッブデザインの造形ガイドライン整備
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13680262
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Research Institution | TSUKUBA COLLEGE OF TECHNOLOGY |
Principal Investigator |
生田目 美紀 筑波技術短期大学, デザイン学科, 助教授 (20320624)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 真 筑波技術短期大学, 情報処理学科, 講師 (60291853)
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Keywords | Webアクセシビリティ / Webデザイン / ガイドライン / 聴覚障害 / 視覚障害 / 操作実験 / 視線追跡実験 |
Research Abstract |
聴覚障害者と健聴者に対して,Web操作の特徴を把握するための実験を行い,聴覚障害者を対象としたWebアクセシビリティのガイドライン整備につながる手がかりを探索した. 実験方法は,操作経過のビデオ収録のほか,視線とマウスの軌跡を同時に追跡記録する方法を取った.このデータをもとに,操作経過を操作フロー,操作時間,操作特性という視点から分析を行った.実験内容は「携帯電話のタイプ別販売機種数を調べる」「車のカラーバリエーションを確認する」「検定サイトの検定内容を調べる」「指定の販売書籍を探す」というように,判断や決断が不要で,回答が一つの課題を設定し,既存のWebサイトを利用して行った.結果は被験者ごとの違いが明確に出るサイトと差が出ないサイトがあった。明確な差が見受けられるサイトでは,画像をクリックして進んでいくタイプとハイパーテキストを利用するタイプがあり,聴覚障害者の方がハイパーテキストを使わない等いくつかの特徴的傾向がみられた.聴覚障害者は動く画像,大きな画像,上から順に画像をたどる傾向があった.差が出ないサイトでは,画像とハイパーテキストが近距離に配置され対としてあつかわれていた. 実験結果から,聴覚障害者の為のWebアクセシビリティにつながるデザインガイドラインを仮説的に立てた.具体的内容を以下に示す.検証実験は引き続き実施する. ・英語やカタカナ語,造語をメニューに使うことを避ける. ・ポップアップ機能を利用し,短く明確な表現で内容を説明することは有効である. ・長くボリュームある文章を避け,ページの文字量を少なくする方が文字情報の伝達に有効である. ・視覚情報は内容を反映しているものが望ましい. ・具体的な商品写真,適切なデザインアイコンは有効である. ・画像と文字情報は対として扱うと効果的である. ・画像と文字を対として使用する場合,両者の距離は近い方が有効である. ・積極的にリンク機能を利用して欲しい部分は動きを加える,大きくする,画面上部に配置する. 視覚障害者に関しては,音声ブラウザが優先されるということが確認できた.音声以外のWebアクセシビリテイ検証実験を行うためには多様な視覚障害に対応できる新たな視線追跡機器を導入し研究を行う必要が有る.
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Research Products
(2 results)