2001 Fiscal Year Annual Research Report
地域の伝統農法と在来作物を取り入れた農・食・地域学習方法の検討
Project/Area Number |
13680278
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
寺井 謙次 秋田大学, 教育文化学部, 教授 (00113902)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡 正明 宮城教育大学, 教育学部, 助教授 (50292355)
金澤 俊成 岩手大学, 教育学部, 助教授 (20261464)
肥田野 豊 弘前大学, 教育学部, 助教授 (90133850)
小松 正武 秋田大学, 教育文化学部, 助教授 (70003879)
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Keywords | 伝統農法 / 在来作物 / 食農教育 / 農業学習 / 環境教育 |
Research Abstract |
今年度は,青森,秋田,岩手,そして宮城の4県(山形県庄内地方でも調査を実施)の伝統的農法と在来作物について,手持ちの情報や関係機関(JA,各県農試等)から得た情報に基づき,現地にて聞き取り調査を実施した.また,農家が種子等を保存している場合は分譲をお願いし,さらには関係機関でも同様に関連資料の収集に努めた.以下はその概要である. 秋田県:現在では日本海側北限と推測されるカブ(カナカブ)の焼畑について,耕種方法や収穫・加工に至るまでを記録.同様に,かつては焼畑で栽培され現在では畑栽培となっているカブ(平良カブ)について聞き取り調査.品種化されていない在来のマメ類について栽培の実態を聞き取り調査.在来の豆類は県北部で急速に消滅していることが判明.県農試より秋田で旧稲品種の種子を譲り受け,来年度は栽培試験を実施予定. 青森県:かつては明治初期まで,津軽地方で殖産興業・士族授産の施策により盛んであった「藍染め」(タデアイ)に注目し,その栽培について盛衰の歴史を調査.また,僅かに保存されている種子を入手し,栽培実験を実施.さらに,実際に「建て染め」と「生葉染め」により藍染めを試行的,実験的に実施. 岩手県:一関地方で古くから伝統的野菜として知られている「曲がりねぎ」と,北上地方でも同様に知られている「二子いも」(サトイモ)について実態調査.栽培地での一連の作業について調査.また,栽培の歴史については不明な点が多く,来年度の課題とする.併せて栽培実験も実施する. 宮城県:仙台雪菜(アブラナ科野菜)の在来種群の栽培実態について調査を実施.系譜や由来等にきわめて不明な点が多く,来年度に調査・実験の予定.伝統的食文化に位置付けられる「ずんだ」(青ダイズ)について,教材品種マップを作成中.来年度中に作成を終えたい.宮城県に特徴的に残存する「棚田」に注目し,観察・記録を行った.来年度はポイントを絞り,社会的・農業的条件との関わりで「棚田」の存在形態や意義を明らかにしていく. 以上のように,今年度は,各地で今も残る伝統農法や作物の発掘に力点をおいた調査・実験を実施した.
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