2002 Fiscal Year Annual Research Report
スペシャル・ニーズのある児童・生徒の数学学習支援データベースの作成
Project/Area Number |
13680322
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
小田切 忠人 琉球大学, 教育学部, 教授 (00112441)
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Keywords | スペシャル・ニーズ / 学習障害(LD) / 学習遅滞 / ニューメラシー(基礎数学) / 数と計算 / 治療的教育 / 学習過程データベース / 学習段階 |
Research Abstract |
基礎的な数と計算の学習で、極端な遅滞が観察される子どもたちがいる。学習の達成は、教授/学習の方法の直接的な結果であるが、知的障害のために、あるいは、脳に損傷あるいは障害を受け、それによる脳の機能不全(dysfunction)のために、学習困難が引き起こしていると考えられる場合がある。加えて、明らかな脳の傷害あるいは損傷履歴がなく、また大きな知的障害もないが、何がしかの脳の機能不全が学習困難の原因として想定される場合もある。「学習障害」が疑われる場合である。いずれの場合も、極端な学習の遅滞があり、学習困難が中枢神経系の機能不全に関係付けることで説明できる場合、その子どもの学習困難の実態に即した教授/学習の過程(学習段階)が、すなわち、スペシャル・ニーズに応じた教育が準備される必要がある。本研究では、このような子どもたちに対する教授学習の方法を改善・開発するための基礎的・実証的な資料を蓄積するとともに、このような子どもたちの教師が授業や教材を工夫しようとするときに参照できる、このような子どもたちの基礎的数学(Numeracy)の学習過程データベースを作成することを目的としている。本年度は、小学4年時に1桁の数の「たし算」ができなかった、典型的な包括性学習障害の特徴をもつ被験児の、多位数÷多位数までの数年間に及ぶ治療的な教育を終了し、その学習記録のデジタル化を行った。そのほか、スローラーナーと言われる子どもたちの学習記録もデジタル化した。そして、算数/数学の学習につまずきのある子どもたちを診断し資料を収集するとともに、水頭症で、また高熱で中枢神経がダメージを受け、そのために数と計算の学習に困難があると判断できる子どもたちについて治療的な教育を実施し、その記録をデジタル化している。また、そのデータベースをコンピュータネットワーク上で参照できるように、そのシステムを試行的に作成した。
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Research Products
(1 results)