2003 Fiscal Year Annual Research Report
小中高・数学教育におけるクロス教材(メカトロニクス教具を含む)作成の基礎研究
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13680331
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Research Institution | TOKAI UNIVERSITY |
Principal Investigator |
平野 葉一 東海大学, 文学部, 教授 (20189856)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
守屋 誠司 京都教育大学, 教育学部, 教授 (00210196)
鈴木 孝典 東海大学, 開発工学部, 助教授 (20226525)
山上 明 東海大学, 総合教育センター, 教授 (40138665)
島田 啓子 帝京平成大学, 情報学部, 助教授 (40235619)
進藤 聡彦 山梨大学, 教育人間科学部, 教授 (30211296)
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Keywords | 数学教育 / クロス教材 / 理数系の総合学習 / 数学教育の基礎理論 / 情報科学 / 数学学(mathematiology) / 数学と文化 / 数学と諸科学 |
Research Abstract |
2003年度においてもこれまでの2年間同様、1.数学教育の基礎に関わる研究、2."クロス教材"作成と実践、3.教具・教材(メカトロニクス教具を含む)の作成と実践の3セクションから研究を進めた。 1.予定していたシンポジウム「教科教育を越えて-総合学習の可能性とその限界((3)」は開催しなかったが、研究代表者(平野)が、大学における数学教育の現状との関連から初等中等教育での数学教育の在り方について、数学教育学会秋季例会(2003年10月)および数学教育学会春季年会でのシンポジウム(2004年3月、パネリストとして参加)で報告を行った。その結果、初等中等教育における知識偏重の数学教育が大学における数学理解の障害の一原因となっていること、逆に、初等中等教育における具体的事例(自然把握や技術との関連など)を伴う数学教育が文系・理系を問わず大学生の数学への関心を保持することなどが示され、初等中等教育において日常的話題などと関連した教材(クロス教材など)を用いる重要性が明らかにされ数学教育再検討の方向性を提示するに至った。 2.および3に関しては、クロス教材については「自然・文化・社会と数学の関連」を整理して事例提供資料を作成し、また、体積や面積などに関わる教具などを作成して実践で用いた。東海大学付属高輪台高等学校での実践授業ではオウムガイの測定(対数螺旋)とコンピュータ処理を行った結果、数学教育に実験を導入する可能性に関して、具体的事例が提示できた。また、平塚市での「市民・大学交流フェスタ2004-数学教室」では数学パズルとモノ作り数学を行ったが、従来の教科書とは異なり身近な話題から数学を学ぶ可能性としてのクロス教材の具体的事例が確認できた。これらの実践の結果、教科書以外から数学を学ぶ方法としてのクロス教材の有効性が提示されたと考えている。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 平野 葉一: "大学における数学史教育-専門と教養の視点から"数学教育学会誌 2003年度数学教育学会秋季例会発表論文集. 臨時増刊. 98-100 (2003)
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[Publications] 守屋 誠司: "数学に関する意識の違いの原因を考える-数学を創ってきた国-"数学教育学会誌 2003年度数学教育学会秋季例会発表論文集. 臨時増刊. 14-16 (2003)
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[Publications] 平野 葉一: "変革を迫られる大学教育の中で数学教育の役割は?-文化史の側面から-"数学教育学会誌 2004年度数学教育学会春季年会発表論文集. 臨時増刊(2004年3月). (2004)
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[Publications] 平野 葉一, 中村 朋子: "デューラー『人体均衡論四書』における小数的表示"数学教育学会話 2004年度数学教育学会春季年会発表論文集. 臨時増刊(2004年3月). (2004)
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[Publications] 小川 束, 平野 葉一: "数学の歴史-和算と西欧数学の発展"朝倉書店. 276 (2003)