2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13680332
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Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
河口 道朗 日本女子大学, 人間社会学部, 教授 (40007159)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平井 建二 福岡教育大学, 教育学部, 教授 (70036929)
吉崎 静夫 日本女子大学, 人間社会学部, 教授 (20116130)
大畑 祥子 日本女子大学, 家政学部, 教授 (90160605)
丸林 実千代 山形大学, 教育学部, 助教授 (20282197)
朴 成泰 山口大学, 教育学部, 助教授 (50294616)
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Keywords | キリスト教 / 賛美歌 / 雅楽 / 唱歌 / 童謡 / 伝統音楽 / 国楽 / 民族音楽 |
Research Abstract |
日本人の音感形成にはキリスト教の伝来に伴う西洋音楽の移入、とりわけ明治期以降の洋楽導入に基く音楽文化と音楽教育の制度的展開がその本源的な基礎になっている。この歴史的事実を分析・検討し明確にすることを前提にして、その後の日本人音感形成の特殊性が明らかになるといえよう。本年度はこのような問題意識を発端にして、 1.地域の音楽の文化的展開に関する歴史的事実の発掘および関係史料の探索と収集(山形、広島、佐賀、長崎、沖縄)をおこない、新しい事実が発見されたこと。 2.音感形成の重要な側面とみられる近代ヨーロッパ音楽固有のリズム法の解明に必要な基本的文献を翻訳し、解明に努めたこと。 3.幼児音楽および学校音楽の歴史と現在を音感形成の視点から捉え直すために、あらためて関連史料の探索と収集をおこなったこと。 4.音感形成について外国との比較考察を試みるために、特に中国(上海およぴ北京)の音楽教育における伝統音楽と外来音楽との関連性-教材の特徴-を明らかにする作業に取り組んだこと。 5.その他、研究題目に関連して、これからの研究に不可欠と判断される文献、特に外国の最新図書の購入に努めたこと。 といった作業を推進し、有意義であった。 しかし限られた日時と予算のため、その成果は十分とはいえない。従って、次年度はこの点の補充に努めるとともに、より重要な作業は音感形成に焦点をさらに絞るとき、特に意識される課題として、1930年代の音感教育の提唱とその実際、そしてその手段化の過程を明らかにすることである。それは、戦後の音楽文化と音楽教育の転換とその過程への基本動機になっている、と考えられるからである。
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Research Products
(1 results)