2001 Fiscal Year Annual Research Report
算数学習におけるメタ認知発達変容の枠組みの開発とその実践的検証
Project/Area Number |
13680334
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Research Institution | Kogakkan University |
Principal Investigator |
勝美 芳雄 皇學館大学, 文学部, 講師 (40329909)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 久恵 兵庫教育大学, 学校教育学部, 助手 (00314518)
高澤 茂樹 滋賀大学, 教育学部, 助教授 (30268057)
重松 敬一 奈良教育大学, 教育学部, 教授 (40116281)
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Keywords | 算数 / メタ認知 / 発達 |
Research Abstract |
1.「算数作文」分析によるメタ認知発達変容調査 本研究に先立ち,「算数作文」(算数の授業後に子供が書く短い作文)の分析を行い,その記述に5段階を設定することを確認し,この段階を用いてメタ認知発達変容の枠組みを構築できると考えている。本研究においては,この5段階を算数の成績群別に検証した結果それぞれの段階の表れる時期に違いがあり、成績群の上位の子供ほど作文の段階の移行が早いことを確認した。 2.「算数作文」実践の留意点の明確化 (1)指導方法の明確化 算数作文についての研究と実践をまとめ,4つの指導ステップを示した。これらのステップは,これまで分析の対象としてきたケースに基づき,指導内容とその指導による子供の変化をできるだけ具体的に示すようにした。そして,追試の事例により,これまで算数作文に取り組むことのなかった教師が,この指導ステップに沿って算数作文の実践を始められることが実証された。 (2)メタ認知的支援としての位置付け これまでの「算数作文」の分析においては,児童の知識とメタ認知の発達変容のためには,赤ペン指導などの教師の適切なメタ認知的支援が重要であることを確認している。本研究では,算数作文実践から得られた教師の言語行動をもとに,教師によるメタ認知的支援の枠組み(「支援の対象」「支援する対象の成績群」「支援される児童の知識の段階」「代行されるメタ認知」)を構築し,その枠組みによる分析事例を示した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 重松 敬一: "数学教育におけるメタ認知の研究(16)"日本数学教育学会 第34回数学教育論文発表会論文集. 373-378 (2001)
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[Publications] KATO, Hisae: "Effects of teaching for development of metacognitive ability"Proceedings of the 25th PME. Vol.1. 324 (2001)
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[Publications] 加藤 久恵: "数学的問題解決におけるメタ認知の役割に関する研究(III) -メタ認知と問題領域に関する事例分析を中心として-"兵庫教育大学教科教育学会紀要. 14号. 29-38 (2001)
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[Publications] 勝美 芳雄: "子供と算数(皇學館大学講演叢書一〇三輯)"皇學館大学出版部. 42 (2001)