2002 Fiscal Year Annual Research Report
小学校英語教育の実態調査-ソウルと大阪の公立小学校の比較分析-
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13680340
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Research Institution | Nara Saho College |
Principal Investigator |
簗瀬 正子 奈良佐保短期大学, 幼児教育科, 助教授 (20259550)
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Keywords | 小学校英語教育 / 日韓比較研究 / creativity / proficiency |
Research Abstract |
過去2年間韓国の小学校での英語教育に焦点を合わせて研究を続けた。第6次教育改革で韓国の英語教育は実用英語に転換し、その後の第7次教育改革でもその路線が守られ大きな変化は見られない。例えば英語を教えるのはあくまでも担任であり、ALTではない。教科書の充実を当初から図り2003年度用の3年生用が99ページ、4年生用104ページ、5年生用134ページ、6年生用137ページにも達する。教科書に準拠したCDも安価で市販されている。特に特徴的なのは5,6年生でwritingも取り入れ簡単な比較級まで取り入れていることである。韓国人学習者に適した方向を探りながら地に付いた教育を実施していることが見受けられる。 若干の調整としては2001年には「教員は英語のみで授業を行わなければならない」との通達が文部省から出されたり、初等学校3,4年生における英語授業時間が当初の週2時間を週1時間に修正したりしている。このように微調整は行われているが大きな方向転換は行われていない。その意味で本研究でも大きな進展が見られないのは否めない。また、韓国の英語教員へのアンケートは実施できたが(下記博士論文11章)、保護者へのアンケートが先方の都合で実施できなかった。これは平成15年度の課題として残されている。 しかし日韓の基本的な比較研究として平成15年3月に関西外国語大学院に提出した博士論文の1部で日韓の英語学習者のトランスファーの問題に焦点を当てて述べた(6,7,8,9章)。また英語教育を通して培われるcreativityとproficiencyの問題に触れ(10章)、英語教育比較を行った(11章)。その結果もしも日韓で英語のproficiencyと英語教育で培われるcreativityに差が出てくるならばこれは本質的な問題ではなく、教育制度の違いから生じるのではないかと予測されている(12章)。日本の推進する方向がより英語力を高めるのか、韓国の推進する方向がより良いのか結論を出すためには尚一層の研究が必要である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Masako Yanase: "A Study of Transfer by Japanese and Korean EFL learners"Doctoral Dissertation to Kansai Gaidai Univ.. 1-292 (2003)
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[Publications] Masako Yanase: "A Study of Transfer by Japanese and Korean EFL Learners -From Prodrop and Topic Prominent Language to Non-Prodrop and Subject Prominent Language-"大阪教育図書(予定). 292 (2003)