2003 Fiscal Year Annual Research Report
小学校英語教育の実態調査-ソウルと大阪の公立小学校の比較分析-
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13680340
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Research Institution | NARASAHO COLLEGE |
Principal Investigator |
簗瀬 正子 奈良佐保短期大学, 幼児教育科, 助教授 (20259550)
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Keywords | 小学校英語教育 / 日韓教育比較 / 中間言語 / 教員研修 / コミュニケーション・ストラテジー |
Research Abstract |
今年度の研究は次の3点であった。第一は英語学習者の持つ根幹的な問題である。この研究なしに日韓の教育制度から生じる相違を分析できないと考えたからである。関西外国語大学に提出した博士論文のテーマは日韓の英語教育比較であるが、成人の英語学習者を比較し言語構造が似た日韓の学習者の学習過程に現れる母語からのトランスファー(転移)を分析した。この中で日韓とも中間言語段階で同じような転移が見られたが、コミュニケーション能力の点でいくつかの相違が見られた。韓国の学習者は日本人より多くのコミユニケーション・ストラテジーを駆使して自己主張を試みていた。レベルの平準化の問題もあるが、韓国の教育が制度的に成功すれば一層の自己表現が可能になるのではないかと思われた。第二に本研究のテーマである小学校英語教育がどのように進展しているかを第6次と第7次教育改革を比較した。この2つの改革は第6次とそれ以前の改革の違いに比べると大きな変化は見られなかったが、現行のコミュニケーション能力の伸長を目指す教育が4技能をバランスよく伸ばしていく方向性を持つようになり、リーディングとライティングも重視されるようになってきたのが特徴である。第三に韓国との交流を実際にこころみた。8月に韓国から2名の小学校教員を招き日本の小学校教員との交流会を奈良と徳島で持った。彼らは教員研修でつけた英語能力を披露し、奈良市の約30名の小学校教員に示唆を与えた。鳴門教育大学で行った研究会は大学院生と大学教員が主であったが、小学生に対しての分かりやすい平易な英語を身につける必要性を実感させた。また今治では日本の小学生に対し実際に授業を行った。ここでも彼女たちは小学生に十分理解できる英語を駆使し将来アジアは英語でコミュニケーションしていくのだと実感させた。以上、3つの研究内容を中心に15年度の研究を進めてきた。
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Research Products
(2 results)