2002 Fiscal Year Annual Research Report
接触会話における在日外国人の日本語習得に影響を及ぼす心理的・社会的要因の研究
Project/Area Number |
13680357
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
青木 直子 大阪大学, 大学院・文学研究科, 助教授 (20184038)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西口 光一 大阪大学, 留学生センター, 教授 (50263330)
尾崎 明人 名古屋大学, 留学生センター, 教授 (60119659)
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Keywords | 第二言語としての日本語 / 関係性 / 役割意識 / 在日外国人 / ボランティア日本語教室 / 学習活動 / 第二言語習得 / language related episode |
Research Abstract |
本研究の目的は、ボランティア日本語教室における在日外国人と日本語ボランティアのインターアクションをミクロ・レベルで分析し、両者の関係性、それぞれの役割意識、活動のタイプ、トピック、談話の構造、談話の参加者数が日本語の習得にどのような影響を与えるのかを明らかにすることである。2002年度は、前年度に引き続き、兵庫県内の日本語ボランティアグループに協力を依頼し、ボランティアと学習者の学習活動のデータ収集を行った。これと平行して、以下のような作業を行った。 *学習者への1回めのインタビューに基づいた学習者のプロフィールの作成 *学習者への1回めのインタビューに基づいた学習者の感じるボランティア日本語教室の問題点の洗い出し *文字化資料のチェック 文字化・翻訳の不備の訂正 学習活動中の母語使用部分の文字化と翻訳 *学習者とボランティアへのフォローアップ・インタビューの突き合わせ この作業の結果、ボランティアは必ずしも学習者の理解状況を正確に把握しているとは限らない、学習者は学習活動の目的、練習項目の意味がわからずに発話していることもある、また意味がわからなくてもわからないということを必ずしもボランティアに伝えるとは限らないということが明らかになった。また、language related episodesと判断できる部分に関わる言語形式の意味を忘れていたり、理解が正確でなかったりするところも多く見受けられた。来年度は、学習活動の談話資料をさらに詳細に分析し、習得が起きる要因とともに習得をさまたげる要員についても検討し、報告書としてまとめる予定である。
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[Publications] Naoko Aoki: "Aspects of teacher autonomy : capacity, freedom, and responsibility"Learner autonomy. 7. 111-124 (2002)
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[Publications] 尾崎明人: "日本語母語話者と非母語話者の会話における「聞き返し」:フォローアップインタビューの一例"言語研究の方法. 181-185 (2002)
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[Publications] 尾崎明人: "日本語教師のエンカレッジメントとディスカレッジメント"ことばと文化を結ぶ日本語教育. 182-203 (2002)
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[Publications] 尾崎明人: "接触会話の分析から会話教育へ"「日語系数学問題之探討」研討会論文集. 1-19 (2002)
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[Publications] 西口光一: "接触場面における言語的活動は言語的相互行為か"多文化社会と留学生交流. 第7号. 49-62 (2003)
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[Publications] 西口光一: "ヴィゴツキーの精神発達理論"多文化社会と留学生交流. 第6号. 17-34 (2002)