2002 Fiscal Year Annual Research Report
多次元統計モデルにおける推定理論の新たな展開とその応用に関する研究
Project/Area Number |
13680371
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
久保川 達也 東京大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (20195499)
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Keywords | 線形回帰モデル / 多変量回帰モデル / 多重共線性 / リッジ回帰推定法 / 経験ベイズ法 / 線形混合モデル / 小地域推定 / ミニマクス性 |
Research Abstract |
本年度は,上記課題について以下の研究を行った。 1)ミニマクスな経験ベイズ・リッジ回帰推定量の導出。計量経済学の分野での古典的な問題として,説明変数間に多重共線性が存在するときの回帰係数の推定問題がある。この問題について,本研究では,階層的な事前分布に基づいた経験ベイズ推定量で,不安定な最小2乗推定量を主成分回帰推定量の方向へ縮小したリッジ回帰推定量を導出し,そのミニマクス性を示すとともに,シミュレーション実験に基づいた数値的な有効性を示した。またいくつかの実例に応用し、実用上有用であることも示した。 2)多変量回帰モデルへの拡張。上述の方法を多変量回帰モデルに拡張し,3種類の経験ベイズ推定量を提案してそれらのミニマクス性を証明するとともに,数値的比較と実例でのデータ解析を通して実際上の有用性を示した。 3)死亡率の経験ベイズ推定量の誤差の推定。ポアソン-ガンマ分布モデルを用いて死亡率を推定するときに使われる経験ベイズ推定量について,その推定誤差の2次漸近近似及び2次漸近不偏推定量を与えた。またその推定量が正確な不偏推定量よりも推定誤差が小さいことを数値的に示すとともに,実際のデータに適応したときにもより合理的な推定値を与えることを示した。 その他,多変量分散成分モデルを用いた小地域の推定問題を扱い,より優れた推定手法を提案して,神奈川県の地価公示時系列データの解析を行った。また共分散行列の推定問題について新たな理論展開を行った。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] T.Kubokawa, M.S.Srivastava: "Estimating risk and mean squared error matrix in Stein estimation"Journal of Multivariate Analysis. 82,1. 39-64 (2002)
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[Publications] T.Kubokawa, M.S.Srivastava: "Estimating the covariance matrix : A new approach"Journal of Multivariate Analysis. (印刷中). (2003)