2001 Fiscal Year Annual Research Report
超並列分子コンピューティングの研究 -無配線コンピュータを創る-
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13680385
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
青木 孝文 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 助教授 (80241529)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平塚 眞彦 仙台電波工業高等専門学校, 助手 (80331966)
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Keywords | 分子コンピューティング / 分子計算 / 分子素子 / 集積回路 / 非線形科学 / 反応拡散システム / 画像処理 / 並列処理 |
Research Abstract |
平成13年度は,集積回路工学および計算機科学の2つの観点からの研究を並行して実施した. 1.人工触媒素子のモデルを定式化するとともに,これをマイクロ電極デバイスによって実現する方式を検討した.人工触媒素子に基づく無配線集積回路では,物質濃度の時空間パターンに情報をコーディングすることにより,反応-拡散のダイナミクスを利用した高並列情報処理が可能になると考えられる.そこで,可逆なレドックス分子を情報担体として,その生成・消滅を多数のマイクロ電極デバイスで制御することにより,目的に応じた反応拡散場が人工的に形成できることを実験的に検証した.具体的には,64個のPtマイクロ電極をガラス基板上に2次元的に集積化したマイクロ電極アレーを試作し,これを用いてベンゾキノン/ヒドロキノンの可逆なレドックス反応を制御する人工反応拡散場の実験系を構築した.すでに,個別のマイクロ電極の制御に成功しており,基本的な動作確認が完了している.現在,64個すべての電極を同時制御可能なシステムを構築しつつある. 2.人工触媒素子による無配線集積回路は,反応拡散ダイナミクスのパターン形成能力を利用して,ある種の問題を超並列的に解くことが可能である.しかし,このような分子のダイナミクスを利用したアルゴリズムの系統的な設計法や計算能力は明らかになっていない.そこで,反応拡散ダイナミクスをテクスチャ生成や画像復元のための多次元フィルタとして利用することに焦点をしぼり,本研究代表者が提案する「ディジタル反応拡散システム(DRDS)」と呼ぶモデルに基づく理論研究を行った.平成13年度は、典型的なテクスチャ画像である指紋画像を取り上げ,その修復・復元のためのアルゴリズムをDRDSに基づいて構築し,性能評価を行った.1/25程度の画素数にサブサンプリングした指紋画像であっても,十分な精度での復元が可能であることが明らかになっている.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 青木孝文: "ディジタル信号処理とコンピューティング:第3回ディジタルモルフォジェネシス--生物の形態形成モデルに基づく信号処理アルゴリズム--"Journal of Signal Processing. 5・3. 173-182 (2001)
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[Publications] Masahiro Hiratsuka: "A Model of Reaction-Diffusion Cellular Automata for Massively Parallel Molecular Computing"Proceedings of the 31st IEEE International Symposium on Multiple-Valued Logic. 247-252 (2001)
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[Publications] Koichi Ito: "Digital Reaction-Diffusion System--A Foundation of Bio-Inspired Texture Image Processing--"IEICE Transactions on Fundamentals of Electronics, Communications and Computer Sciences. E84-A・8. 1909-1918 (2001)
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[Publications] Koichi Ito: "Digital Reaction-Diffusion System and Its Application"Proceedings of the 2001 International Symposium on Nonlinear Theory and its Applications. 1. 99-102 (2001)
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[Publications] Hiroyuki Morimitsu: "Experimental Observation of Active Wave Propagation in Reaction-Diffusion Cellular Automata"Proceeding of the 2001 International Symposium on Nonlinear Theory and its Applications. 2. 517-520 (2001)
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[Publications] Masahiko Hiratsuka: "Implementation of Reaction-Diffusion Cellular Automata"IEEE Transactions on Circuits and Systems--I : Fundamental Theory and Application. 49・1. 10-16 (2002)