2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13680397
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐藤 周行 東京大学, 情報基盤センター, 助教授 (20225999)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒田 久泰 東京大学, 情報基盤センター, 助手 (60323507)
金田 康正 東京大学, 情報基盤センター, 教授 (90115551)
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Keywords | コンパイラ最適化 / ループアンローリング / 性能の定量的解析 / データフロー方程式 / 型理論 / 形式的記述 |
Research Abstract |
今日単一プロセッサから分散環境にいたるまで広いスペクトルを持っている計算環境において、そのそれぞれに最適な性能をもつコードを生成できるコンパイラシステムの最適化部分を研究した。今年度は以下の3点について研究を行い、成果をあげた。 (1)ループアンローリングの定量的解析:前年度の結果を拡張して、In-Orderのプロセッサ用に定義されたUnrolling Shape概念をOut-of-Orderプロセッサに適用可能であることを示した、これによって、多くのプロセッサアーキテクチャをターゲットとして、提案するunrolling shapeの概念を適用することによってループアンローリングの性能向上が定量的に説明できることになり、コード最適化の重要な指針を与えることに成功した。 (2)最適化の形式化:データフロー方程式を用いて記述されるタイプの最適化について、それを言語の定義レベルから記述できるように形式化を行った。一般的な定式化を型理論を適用して行ったあと、具体例として配列の領域外アクセスのチェックを記述する型理論を構築した。これには型理論的な概念に加えて誘導変数を型システムの中に取り込むことに成功し、十分な記述力が得られることを示した。これによって高レベルでの最適化の形式的記述の可能性を開くことができた。 (3)適用プロセッサアーキテクチャの拡大:最適化の定量的な解析が困難な複雑な実行モデルを持つPentiumの解析に本格的に取り組みはじめた。単純な数値計算カーネルではなく、整数系の複雑なアルゴリズムをターゲットにしてメモリアクセスの最適化について予備的な結果を得た。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Sato, H., Yoshida, T.: "Unrolling Shape : Symbolic and Quantitative Analysis of Loop Unrolling Effect"Proc. 6^<th> Int'l Conf. Software Engineering and Applications. 755-760 (2002)
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[Publications] Matsuno, Y., Sato, H.: "Flow Analytic Type System for Array Bound Checks"Electric Notes in Theoretical Computer Science. 78. (2003)
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[Publications] Matsuno, Y., Sato, H.: "Flow Analytic Type System for Array Bound Checks"情報処理学会論文誌(プログラミング). (掲載予定)(Abstract掲載予定).
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[Publications] Kudoh, M., Kuroda, H., Katagiri, T., Kanada, Y.: "Optimal Algorithm Selection of Parallel Sparse Matrix-Vector Multiplication Is Important"Proc. Vector and Parallel Processing 2002. (Preprint). 43-55 (2002)