不安定な帯域幅をもつ多重化ネットワーク上の自律的な最適経路選択法の研究

2001 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 13680417
• Research Institution: Hiroshima University
• Principal Investigator: 藤田 聡 広島大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (40228995)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 田頭 茂明 広島大学, 大学院・工学研究科, 助手 (70332806) ; 伊東 靖英 広島大学, 大学院・工学研究科, 助手 (80243591)
• Keywords: 経路選択問題 / 資源獲得問題 / 動的なネットワーク / 最適経路 / 負荷分散 / 多重化ネットワーク

Research Abstract

本年度は、分散ネットワーク上の動的な資源獲得問題と効率のよい経路問題の2つに着目し、それぞれについて詳細に研究をおこなった。まず前者に関しては、情報の局所的な交換によって大域的な状況の把握をおこなう方法として知られているコーラムコンセンサスの手法をJavaを用いて分散ネットワーク上に実装し、その効果を実験的に評価した(業績番号4)。また大域的な状況を局所的な観測によって把握するための新たな方法としてわれわれが提案している動的集合を維持するための分散データ構造を資源獲得問題に応用し、その効果をシミュレーションにより実験的に評価した(業績番号1)。その結果、提案手法によって従来の集中型管理手法よりも効率よくシステム全体の状況の把握がおこなえ、負荷分散の効果も高くなることが示された。本年度は、このシステムを用いた分散資源管理問題を解くためのプラットフォームの開発・実装もおこなっている(業績番号2)。また業績番号3の成果では、局所情報を効率よく収集するための経路選択アルゴリズムの提案と理論的な評価がなされている。これらの基礎理論・技術を統合することにより、帯域幅が動的に変化するネットワーク上での効率のよい動的な経路選択が実現できると考えている。

Research Products

• [Publications] S.Fujita: "Distributed Locating of Shared Resources in Distributed Systems and its Application to the Load Balancing Problem"Proc. PDCS 2001 (IASTED). (CD-ROM). (2001)
• [Publications] S.Fujita: "An Active Scheduler : Autonomous Concurrency Control of Parallel Programs in a Distributed Environment"Proc. ICPAOS 2001 (IEEE). 415-422 (2001)
• [Publications] S.Fujita: "Log-Time Multicast to Local Vertices in the Star Graph"Proc. IPDPS 2001 (IEEE). (CD-ROM). (2001)
• [Publications] 丸山英明: "コーラムコンセンサスを用いた分散相互排除命令ライブラリの設計と評価"情報処理学会論文誌. 42巻10号. 2485-2493 (2001)