2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13680437
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
澤村 一 新潟大学, 工学部, 助教授 (40282991)
|
Keywords | 議論 / 弁証法 / エージェント / 否定の否定の法則 / 止揚 / 準無矛盾論理 / 4値論理 |
Research Abstract |
議論するエージェントシステムの構築にとって重要な基礎的課題(下記1-4)の研究を行なった.そしてその成果を国際会議および雑誌論文として発表した. (1)4値準無矛盾論理を基礎とした知識表現と議論フレームワークの形式化 エージェントは4値準無矛盾論理プログラミング言語で表現された知識をもつ.これをベースに,次の特徴を持つ議論フレームワークの形式化を与えた:差異による反論関係,社会規範と議論の根拠の多さによる議論優劣判断基準,正当化・棄却化議論.そしてこのフレームワークの不動点意味論,さらに健全性と完全性の証明を与えた.またこの論理を用いることで,「両是」,「両否」といった東洋的認識観を知識として表すことも可能であることを明らかにした. (2)多値準無矛盾論理を基礎とした知識表現と議論フレームワークの形式化 上の研究を多値一般に拡張し,知識からの論理的帰結と正当化された議論の帰結が一致するような議論フレームワークを形式化した. (3)計算弁証法 弁証法を西洋および東洋の思想に遡って,その原理を改めて調べ直した結果,ヘーゲルの弁証法と古代インドの論理に現れる弁証法的思想には極めて高い類似性があることが判明した.これを下に,代表的な三つの弁証法的思考および発展の法則:弁法的止揚,否定の否定の法則,量から質への転換,を計算論的な観点から再考した. (4)議論(対話)能力とモービリティをもつエージェントの構成およびその試作 エージェントが議論能力と移動能力によって始めて,自らの議論内容をより良いものとすることができるエージェントシステムを構築した.ここでは,議論をよりよい議論に変換する方法として規則および事実を他のもので置き換える置換規則,議論に多様性をもたせる情報収集の仕組みを導入した.これらの処理で必要な記号操作はPROLOGで実現し、議論のやり取りの制御、すなわち、議論プロトコルの部分はJAVAで実装した. (3)の一部および(4)の成果は,次ぺージの論文として発表した.
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] Y.Umeda, H.Sawamura: "議論を計算と通信の基本メカニズムとするエージェントシステム"情報処理学会論文誌. Vol.43,No.5. 1518-1527 (2002)
-
[Publications] Wataru Kawakami, Yuichi Umeda, Hajime Sawamura: "Agents that Grow by means of Arguability and Mobility"AI2002 Workshop Proceedings of the Sixth Australia-Japan Joint Workshop on Intelligent and Evolutionary Systems. 33-40 (2002)
-
[Publications] H.Sawamura, M.Yamashita, Y.Umeda: "Applying Dialectic Agents to Argumentation in E-Commerce"to appear in International Journal of Electronic Commerce Research, Kluwer. (2003)