2001 Fiscal Year Annual Research Report
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13680454
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
吉田 紀彦 長崎大学, 工学部, 教授 (00182775)
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Keywords | 遺伝的アルゴリズム / 並列分散処理 / VLSI |
Research Abstract |
遺伝的アルゴリズム(Genetic Algorithms;以下GAと略す)では解の品質をあげようとすると,計算量が大きくなって処理性能の低下を招く.そこで高速化に向けて研究がなされているが,それらの内でも有望なのが並列分散処理とVLSIハードウェア化である.特に後者はソフトウェア実装に比較して数百倍以上の高速化が達成できる.研究代表者らはGAのVLSI化について我国で先鞭をつけ,さらにGA-VISIの並列分散処理化について世界でもほぼ最初の設計を行った. 本研究ではこの並列分散GA-VLSIについて,さらなる効率化を目指した.具体的には,分散GAにおいて,遺伝子を集団間で移住させる際の頻度などのパラメータが全体の収束性能を大きく左右するので,すでに計算機クラスタ上でのソフトウェア実装で効果を確認している「収束状況を監視しつつパラメータを動的に調整する方式」を実装して並列分散GA-VLSIを拡張し,その効果を検証する. 本年度は以下の成果をあげた.第1に収束状況監視のために,集団内の遺伝子について適応度の変化を遺伝的操作の度ごとに計算する方式をVLSI実装に適した形で設計した.第2に動的調節のために,特に集団間の個体移住頻度をパラメータとして,これまでは一定頻度に固定されていたものを,適応度変化に応じて制御する方式を設計した.以上について,実際に具体的な回路設計まで行い,VLSI CADを用いた論理シミュレーションによる性能見積りを実行し,これまでの固定頻度GA-VLSIよりも収束性能の向上が達成されていることを,例題を用いた実験で確認した. 今後は,論理合成による回路量評価,実際のFPGA実装に向けた準備,様々な例題を用いたさらなる実験などに取り組んでいく.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 下川, 吉田, 牛島: "多様な選択ポリシーを利用可能なサーバ選択機構"電子情報通信学会論文誌. 84-D-I・9. 1396-1403 (2001)
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[Publications] Yoshida, Narazaki, Shimokawa: "Dynamic System Reconfiguration for Distributed Information Sharing"Proc. SSGRR Int'1 Conf. on Infrestructure for the Internet. (CD-ROM). (2002)
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[Publications] 溝口, 下川, 吉田: "分散協論型の故障診断と秩序再構成"長崎大学工学部研究報告. 31・57. 55-60 (2001)
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[Publications] Yoshida: "Design Patterns Applied to Object to Oriented Soc Design"Proc. 10th Workshop on Synthesis and System Integration. 19-24 (2001)