Research Abstract |
本年度は,戸口通信のシステムの評価法について,様々な観点からの研究に取り組み,成果を得た.戸口ノック通信の評価についての新しい観点を見つけた.それは,身体障害者支援のための利用である.運用実験を行い,今後この観点からの評価を行う.新たに得た知見は,本当に何か他人に物を頼むときは,案外,近くに居て時間に余裕のある人で,必ずしも,従来行われているような安心できる「知り合い」ではない.この観点から,本システムが,社会的不確実性の大きい中での信頼を構築する道具として機能することも可能である.今後,このあたりを,新たに始めた「トラストと安心に関する研究」につなげたい. 影と音のアウェアネス機能を応用したWWWの「戸口ブラウザ」については,通りすがりの機能をWWW上の共有空間で,他のユーザの足跡がリンクに残されるという形を考案した.本システムにより,以前からの課題であった「通りすがり」の実践ができた.プロトタイプシステムについて評価実験を行った. 戸下通信については,定性評価のひとつとして,利用する際の安心感について,研究を進めた.その結果,暫定的な不安度評価モデルを構築した.予定していた,WWW上の情報の置き場としての機能をセキュリティの品質に応じて,「棚」や「コインロッカー」などのレベル分けのサービスはまだ実現できていないが,今後是非利用モデルとともに進めて行きたい.運用は,様々な用途について.ここ1年ほど行っており,実用に耐えるシステムと認識できた. その他,手書きの匿名性認識に関して,バイオメトリクスとして脳波を使える可能性も得た. 今後,本プロジェクトで得た,ドアという媒体を通したコミュニケーション支援システムについての知見をまとめ発表して行きたい.
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