2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13680500
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Research Institution | Nara National College of Technology |
Principal Investigator |
上田 勝彦 奈良工業高等専門学校, 情報工学科, 教授 (30043459)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 善一 奈良工業高等専門学校, 電気工学科, 助教授 (20110249)
松尾 賢一 奈良工業高等専門学校, 情報工学科, 助教授 (10259913)
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Keywords | 文書鑑定 / 筆跡鑑定 / 比較チャート / 文字抽出 / 文書画像処理 / 対話型支援システム / 筆跡変動の分析 |
Research Abstract |
平成14年度は,2年間にわたる本研究計画の最終年度として,当初計画に基づいて研究を行い,所期の目的をほぼ達成した.以下に,得られた成果の概要について述べる. 1.本研究が目指すシステムを構築する際,最も基本的な課題である任意文書からの筆跡抽出に関して,昨年度開発した方式に改良を加えて,更に抽出精度を向上させた.具体的には,個別筆跡の抽出のために従来用いていた文書画像の写像ヒストグラムに加えて,筆跡の平均文字幅や隣接行・筆跡との接触の有無を判別することにより,抽出精度を向上させた.この結果,人間の介在割合が大幅に削減できた. 2.筆跡の変動に関して,従来筆跡鑑定で有用とされ,実際に用いられている筆跡特徴をコンピュータで半自動処理により計測できるプログラムを開発した.これを用いて実際に筆跡特徴を測定し,その変動について多変量解析の手法により分析したところ,約97%の確信度で筆跡に個性があることが確認できた. 3.前記の筆跡特徴の中で自動計測が可能な字画構造マッチングの考え方を署名照合に応用して,筆者照合の立場から筆跡個性の検証を行った.その結果,従来の照合方式よりも優れた照合率が得られ,筆跡個性の検証はもとより,署名照合への有用性も示された. 4.今後更に多くの字種について,同様の分析を行い,従来用いられている筆跡鑑定のための筆跡特徴の有効性を検証するとともに,この機能を本研究で開発した支援システムに組み込み,実務分野での支援機能の有用性について検討する必要がある.
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