2002 Fiscal Year Annual Research Report
物理的相似則に基づいた統合モデルによる複合システムの安全設計支援
Project/Area Number |
13680520
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
幸田 武久 京都大学, 工学研究科, 助教授 (60205333)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 紘一 京都大学, 工学研究科, 教授 (70026079)
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Keywords | ボンドグラフ / 情報流 / 複合システム / システム安全設計 / 防御システム / 事故連鎖条件 / 故障診断 / ベィジアンネット |
Research Abstract |
本年度は、前年度に提案した定性的解析方法による解析支援方法に対してさらに定量的な評価方法を検討することにより安全設計支援システムの枠組みを完成し、簡単な事例解析を通して解析方法の総合評価を行った。また、システム挙動モデルと故障遷移モデルからなる統合システムの枠組みを利用した診断方法として、ダイナミックベィジアンネットの有効性を検討した。 安全監視システムなどの多層防御がシステム安全設計の基本であり、そのためには対策を立てるべき異常事象を同定し、その損失を評価することが重要である。前年度に提案した解析方法を適用することにより、設計対象であるシステム異常を発生させる潜在的異常伝播系列を導出し、その発生頻度を評価して許容できるかどうかを検討する。許容できなければ、異常伝播系列を防止できる防御系を同定して現状の防御におけるリスクを評価する。リスクが許容できなければ、さらに安全対策を検討してリスクの低減を図る枠組みを段階的な安全設計検討の支援枠組みとして検討した。簡単な化学プロセスの蒸留塔の事故系列を導出し、設置されている安全装置の故障によるシステム事故発生条件を導出し、その事故発生系列の発生条件を導出して、解析枠組みの妥当性を確認した。 システム異常を検出し事故を防止するためには、故障診断は重要な役割を担う。そこで、システムの物理的挙動を表すシステム挙動モデルと、システム故障や要素故障の時間的な遷移を表す確率モデルを統合したダイナミックベィジアン方法を用いることにより、システム状態変数の推定ならびに異常状態の診断が簡単に行えることを確認した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Takehisa Kohda: "Risk-Based Design of Safety Actions for Potential Accident Causes Based on System Behavior Model"Probabilistic Safety Assessment and Management (PSAM6) (Ed. By E.J.Bonano et al.). Vol.1. 791-796 (2002)
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[Publications] 幸田武久: "ミニマルカットセットを用いたシステム故障発生確率の評価について"第35回安全工学研究会発表講演予稿集. 49-52 (2002)
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[Publications] 下谷篤史: "ベィジアンネットワークを用いた診断システムの構築"第7回「信頼性とシステム安全学」予稿集. 62-69 (2003)