2003 Fiscal Year Annual Research Report
震災時の家屋倒壊による救助需要推定と救助戦略最適化に関する研究
Project/Area Number |
13680544
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
村上 ひとみ 山口大学, 工学部, 助教授 (10201807)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瀧本 浩一 山口大学, 工学部, 助手 (50263794)
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Keywords | 家屋倒壊 / 閉じ込め / 人的被害 / 救助需要 / 救助活動 / 室内被害 / アンケート調査 / 兵庫県南部地震 |
Research Abstract |
本研究では家屋被災度(x)が人の死傷(y)に影響し、人の死傷(y)が閉じ込め(z)に寄与する一方、家屋被災度(x)が直接人の閉じ込め(z)に寄与する因果関係を仮説として、1995年兵庫県南部地震について実施した東灘区のアンケートデータを基に、人の死傷有無、閉じ込め有無をそれぞれ目的変数とする数量化II類による判別分析を行った。その結果、家屋被災度、家具の転倒、地震時の所在(1階か2階か)、年齢が死傷有り無しに影響し、一方、家屋被災度、家具の転倒、地震時所在、年齢、負傷有無が閉じ込め有り無しに影響することが確かめられた。閉じ込め状態を室内空間変容による閉じ込めと、身体拘束による閉じ込めに大別して、北淡町と東灘のアンケート調査データを比較すると、身体的拘束による閉じ込め率は9%程度で両者変わらず、一方、室内空間変容による閉じ込め率は北淡町11%に対して東灘で32%に達し、都市の居住環境(住宅や敷地・街路の狭さなど)の影響が推察される。 2003年宮城県北部地震について、木造住宅被害の状況、人的被害発生状況を現地調査したところ、全壊家屋も倒壊に到ったものはほとんどみられず、閉じ込め救助の事例はほとんど無いが、室内被害等により人的被害が多数発生したことがわかった。 これらの結果をもとに、住家被害と地域条件に基づく救助需要の推定と救助活動実施過程を再現するシミュレーションシステムを作成し、救助活動の効果的運用と人的被害の軽減対策について検討している。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Murakami, H., Y.Ohta, et al.: "Factor analysis of human entrapment and casualty occurrence due to dwelling collapses in the 1995 Hanshin-Awaji earthquake"Proc.13^<th> World Conf.Earthquake Enger.. in print. (2004)
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[Publications] Ohta, Y., H.Murakami, et al.: "A model for evaluating life span characteristics of entrapped people under collapsed dwellings by an earthquake"Proc.13^<th> World Conf.Earthquake Enger.. in print. (2004)
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[Publications] 村上ひとみ: "2003年宮城県北部地震の人的被害"日本地震工学会大会2003梗概集. 2. 136-137 (2003)
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[Publications] 林康裕, 森井雄史, 中村仁, 村上ひとみ 他: "2003年7月26日宮城県北部地震の木造建物被害調査 その1 地震動特性と被害"日本地震工学会大会2003梗概集. 2. 140-141 (2003)
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[Publications] 村上ひとみ, 竹田宏樹 他: "1995年兵庫県南部地震における閉じ込めと人的被害に関する樹形モデル-東灘アンケートデータより-"東濃地震化学研究所報告. 11号. 57-76 (2003)