2002 Fiscal Year Annual Research Report
トロイダルRFトラップ中でレーザー冷却された一成分プラズマの統計力学的特性
Project/Area Number |
13680555
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
坂和 洋一 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (70242881)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒巻 光利 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (50335072)
早坂 和弘 独立行政法人通信総合研究所, 主任研究員
庄司 多津男 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (50115581)
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Keywords | トロイダルRFトラップ / レーザー冷却 / 一成分プラズマ / 統計力学的特性 |
Research Abstract |
本研究は、トーラス型のトロイダルRFトラップ中に閉じこめた多数個イオンのレーザー冷却を行ない、Γ(=プラズマ粒子間のクーロン相互作用エネルギー/熱運動エネルギー)>1の強結合プラズマを実現し、多数個イオンによる一成分強結合プラズマの、特に液体状態における統計力学的特性を明らかにすることを目的としている。 今年度は、冷却されたCa^+イオンの速度分布関数や密度分布等の統計力学的特性を、レーザー誘起蛍光法(LIF)を用いて詳細に計測するためのプローブレーザーとして、冷却用レーザーに加え、新たに2本目の397nmレーザーを構築した。このプローブレーザーは、全体が450x450の光学台に配置された非常にコンパクトなシステムで、回折格子レーザー安定化システムを有する半導体レーザーの794nm光を外部共振器に蓄積してレーザーパワーを増強し、LBO結晶によって397nmの二倍高調波を得るとともに、共振器から半導体レーザーへの戻り光を用いた光フィードバックによって発振スペクトルの狭窄化を行なうというものである。また、長時間にわたって安定なCWレーザー出力を得るために、共振器から半導体レーザーへの戻り光の位相とレーザー波長を、それぞれ比例・積分回路を用いた1fと3fの電気的フィードバック安定化システムによって自動制御した。その結果、外部共振器の共振器長を変えることによって、戻り光の位相とレーザー波長が常にレーザー出力最大となるように追従し、約5GHzにわたる波長送引が可能となった。 大半径が40mmで、隣り合う電極間隔が2mmと4mmの2つのトロイダルRFトラップ中を用いてLIF計測を行なった結果、2mm電極はヘリウムバッファガス冷却を用いなければイオンが観測されなかったのに対し、4mm電極では、バッファガス冷却されていないイオンもトラップに閉じ込められていることがわかった。現在、4mm電極を用いたレーザー冷却実験が進行中である。
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