2002 Fiscal Year Annual Research Report
重イオンビームを用いた簡約MHD方程式固有関数の直接計測によるMHD揺動の研究
Project/Area Number |
13680565
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Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
井口 春和 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助教授 (40115522)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤澤 彰英 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助教授 (60222262)
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Keywords | 重イオンビームプローブ / 簡約MHD方程式 / 流れ関数 / 磁束関数 / 静電ポテンシャル / ベクトルポテンシャル / MHD揺動 / 交換型不安定 |
Research Abstract |
この研究計画は、重イオンビームプローブ(HIBP)を用いてプラズマ中の静電ポテンシャル揺動と磁場揺動(ベクトルポテンシャル揺動)を同時計測することによって、簡約MHD方程式の2つの固有関数である流れ関数とポロイダル磁束関数の空間分布を実験的に求める手法を確立することをめざしている。静電ポテンシャルついてはすでに測定技術は確立されているので、いま目標は磁場揺動の局所計測である。今年度は、まずトロイダル角運動量保存の条件が使えるトカマクなどの軸対称トロイダル磁場における計測の可能性について計算機による模擬計算を行った。プラズマ中で磁場揺動、したがってベクトルポテンシャルのトロイダル成分の揺動が存在すると、エネルギー分析器では2次ビームのトロイダル方向の揺動として観測される。磁場揺動の空間分布が中心部に局在する場合、半径1/2領域に局在する場合、周辺部に局在する場合を仮定して(ガウス分布でその幅はプラズマ半径の1/3とする)、それぞれについて検出器の位置における位置の揺動を計算した。現在までの計算結果によれば、揺動が中心に局在する場合には揺動分布の再構成が比較的よい一致を得られるが、周辺分布の場合には経路積分の影響が大きく、再構成が難しい。軸対称磁場配位でさえ経路積分の影響が大きいことは、ヘリカル磁場配位への拡張の難しさを示唆している。 以上の結果から今後の方針として、現在のアプローチを進めると同時に、トロイダル対称性を全く仮定せず、実際のCHSヘリカル装置の磁場を取り込んだフルビーム軌道計算によって、揺動分布の再構成が可能か調べたいと考えている。
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