2001 Fiscal Year Annual Research Report
水素・ヘリウム混合プラズマ照射によるタングステン材料表面特性変化の評価
Project/Area Number |
13680567
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
大野 哲靖 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (60203890)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上杉 喜彦 名古屋大学, 理工科学総合研究センター, 助教授 (90213339)
高村 秀一 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (40023254)
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Keywords | プラズマ / 核融合 / 高融点金属 / タングステン / バブル / 損耗 / ブリスター / プラズマ対向材 |
Research Abstract |
平成13年度の結果を以下にまとめる。 (1)粉末焼結タングステンへのプラズマ照射 試料表面温度が1773Kの時、照射量が10^<-25>m^<-2>程度で表面構造が変化し始め、10^<-26>m^<-2>以上になると明瞭にバブル形成が観測される。試料表面温度が高いほどバブルの数・大きさが増大する。試料表面温度が低い場合(1023K)は、照射量10^<-26>m^<-2>以上で若干の表面構造の変化が見られるが、高温の場合(1773K)で観測されたようなバブル形成は観測されなかった。TDS解析装置を用いて、ヘリウムプラズマを照射した粉末焼結タングステンを解析した結果、試料温度1000K付近に明瞭なピークが観測された。これは多数の低エネルギーのトラップサイトが試料中に存在していることを示唆している。水素プラズマを照射した表面温度923Kの場合、ヘリウムプラズマの場合と同様に照射量が増えるに従いブリスターの数・大きさが増大している。しかし、ヘリウムプラズマの場合と異なり温度が高い場合(1173K)ではブリスターが観測されていない。 (2)単結晶タングステンへのプラズマ照射 バブル・穴の発生には、初期の格子欠陥の存在が深く関与していると考えられる。格子欠陥が少ない単結晶タングステンへヘリウムプラズマ照射を行い、粉末焼結タングステンの変化と比較した。粉末焼結タングステンへのヘリウムプラズマ照射による構造変化に比べてより微細な起伏が見られたが、これまでのところ粉末焼結タングステンで観測されているバブルの発生は確認されていない。
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