2002 Fiscal Year Annual Research Report
圧力駆動型モードの非線型発展によるトーラスプラズマの構造変化
Project/Area Number |
13680572
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Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
市口 勝治 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助教授 (90211739)
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Keywords | 圧力駆動型モード / MHD(電磁流体力学) / 非線型計算 / 簡約化方程式 / LHD(大型ヘリカル装置) / 交換型モード / 圧力平坦化 / 磁気島 |
Research Abstract |
昨年度の補助金で開発した簡約化MHD方程式に基づく非線型コードNORMを用いて、核融合科学研究所の大型ヘリカル装置(LHD)のプラズマにおける圧力駆動型モードについて調べた。十分に低いベータ値では、緩やかに線型不安定な交換型モードが非線型飽和する。この場合、この交換型モードによって誘起される渦によって、圧力分布は共鳴面の近傍においてポロイダル方向にきのこ状の構造を形成することが得られた。また、この渦によって磁力線が圧縮を受け、駆動型磁気リコネクションによって磁気島が形成されることも得られた。この結果は、これまで交換型モードが駆動されても磁気島は形成されないとされていた定説を覆す新たな知見である。このとき、平均的な圧力分布としては、この共鳴面近傍で局所的に平坦化した構造が形成される。これに伴って、その少し外側の領域では逆に圧力勾配は急峻になる。そのため、その後の時間発展においては、この圧力勾配が急峻な領域において共鳴する交換型モードが誘起される。このようにして、異なる有理面で局所的な圧力勾配の急峻化と平坦化が逐次的に生じ、最終的には、階段状の圧力分布が形成されることが得られた。これに対し、ベータ値を上昇させた場合には、運動エネルギーの時間発展において、バースト的振舞いが見られる。これは、ベータ値の上昇によって圧力勾配による駆動力が増大し、線型不安定な有理面の数、及び、個々のモードのモード幅が増大して、お互いにオーバーラップするようになったためであることがわかった。この場合、中心領域の圧力は大きく減少するため、このようなバースト的な状況は、実験において内部ディスラプションに対応すると考えられる。しかし、実際の実験においては、この程度のベータ値では大きなMHD的に振舞いは観測されていない。この差異については、圧力分布の連続的変化を考慮することによって解決できる可能性があることも得られている。以上の結果は、第19回IAEA核融合エネルキ-会議において報告した。
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Research Products
(1 results)