2002 Fiscal Year Annual Research Report
宇宙太陽発電所における同時複数方向へのマイクロ波送電システムに関する研究
Project/Area Number |
13680577
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
橋本 弘藏 京都大学, 宙空電波科学研究センター, 教授 (80026369)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
篠原 真毅 京都大学, 宙空電波科学研究センター, 助教授 (10283657)
松本 紘 京都大学, 宙空電波科学研究センター, 教授 (00026139)
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Keywords | 宇宙太陽発電 / スペクトル拡散 / アレイアンテナ / レトロディレクティブ / ビーム形成 / マイクロ波送電 / 遺伝的アルゴリズム |
Research Abstract |
宇宙太陽発電所(Space Power Satellite ; SPS)の基盤技術であるマイクロ波電力伝送に関する研究を行っている。SPSでは送電目標(受電点)に正確にマイクロ波ビームを向ける方法としてレトロディレクティブ方式が提案されている。レトロディレクティブ方式は受電点より位置を知らせるパイロット信号を送信し、複数のアンテナ間の位相差情報を用いてマイクロ波ビームを電気的に目標に向ける方式である。 1)スペクトル拡散の技術を応用し、雑音に強く、妨害波と識別が可能で複数方向からのパイロット信号にも対応できる目標方向推定方法の研究を行った。同時にスペクトル拡散を用いない方式とも比較検討を行った。 パイロット信号と同じ周波数帯に存在する送電電波が干渉波となり拡散符号の同期がとれなくなる。そこで復調の前に帯域除去フィルタ(BEF)を挿入し干渉波を抑圧することと,ソフトウェアによる同期の検出を行うことように改良し製作した復調器では,干渉波排除能利器を約45dB改善できることが確認された。さらに、パイロット信号の到来方向検出を、8素子のアレーアンテナと4チャンネルの受信回路を用いて実験した.この実験において,アンテナ端での送電電波と受信したパイロット信号の電力比が70dBのとき,±0.4°程度の精度で到来方向を検出することができた. 2)また複数方向へ電力を送る設計をするための解析と実験を行った。高い電力収集効率と受電サイト以外の不要放射抑制を目指した送電放射パタンの最適化である。均一振幅アレーを仮定し、遺伝的アルゴリズムを用いて、1方向送電における最適化と2方向送電を可能にするマルチビーム形成の最適化を行った。これらの結果を実証するために、平成13年度に研究高度化設備費(COE分)として導入された、「5.8ギガ宇宙太陽発電無線伝送システム(SPORTS5.8)」の一部である半導体増幅器によるアレイアンテナシステムも利用して、一方向あるいは複数方向の受電点に向けてビーム形成などの実験とビームパタンの測定を行い、理論解析との比較を行った。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] K.Hashimoto, K.Tsutsumi, H.Matsumoto, N.Shinohara: "Beam Control System with Spread Spectrum Pilot Signal for Microwave Power Transmission"2002 Asia-Pacific Microwave Conference Proceedings. 2. 1071-1074 (2002)
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[Publications] 新島壮平, 橋本弘藏, 松本紘: "マイクロ波送電における均一振幅励振フェイズドアレイの最適化"電子情報通信学会2003年総合大会. B-1-B-126 (2003)
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[Publications] N.Shinohara, H.Matsumoto, K.Hashimoto: "Solar Power Station/Satellite (SPS) with Phase Controlled Magnetrons"IEICE Transaction on Electronics. E86-C No.8(Accepted). (2003)