2001 Fiscal Year Annual Research Report
デンドリマー・硫黄複合体の合成とその高容量二次電池用正極材料への応用
Project/Area Number |
13680579
|
Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
堤 宏守 山口大学, 工学部, 助教授 (90211383)
|
Keywords | ジスルフイド / 正極材料 / リチウムニ次電池 / 硫黄 / デンドリマー / 充放電 |
Research Abstract |
本年度の研究成果をまとめると,以下のようになる。 (1)当初計画していた,デンドリマー・硫黄複合体の合成について検討を開始したところ,硫黄の分散性や溶解性などに問題点があったため,同様の酸化還元反応を行う含硫黄有機分子であるジスルフィド結合を有する化合物を分子末端に有する化合物を合成した。合成は,デンドリマー部分は,核となるトリオールと1つの分子内にカルボキシル基1つと水酸基2つを有する化合物の脱水縮合反応により合成した。 (2)(1)で合成した化合物の分子末端に,ジスルフィド結合とカルボキシル基を有する化合物を反応させ,分子末端にジスルフィド結合を有する化合物を合成した。 (3)(2)の化合物,及びその誘導体を合成し,それぞれの構造をNMR, IRなどの各種分光法により確認を行った。 (4)(3)の化合物の電気化学的特性を検討するために,(3)の化合物とアセチレンブラックとの混合を行い,これを電極に用い,各種有機電解液中で電気化学測定を行い,(3)で合成した化合物の電気化学的性質を調べた。 (5)(4)の実験で電気化学的に活性の高かった化合物を選び,それを正極に充填したテスト用のリチウム電池を構築し,その充放電挙動について検討を行った。デンドリマー部分の構造に依存してテストセルの充放電容量やサイクル効率が大きく異なっていた。 (6)(5)の検討結果を基に,さらに単位重量あたりの容量やサイクル特性に優れた誘導体を合成し,その特性評価などを行うことを今後検討する予定である。(また,得られた結果については,現在投稿準備中である。)
|