2001 Fiscal Year Annual Research Report
日本海での二酸化炭素の大気-海洋間フラックスの季節変化に関する研究
Project/Area Number |
13680603
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
大滝 英治 岡山大学, 環境理工学部, 教授 (40033120)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩田 徹 岡山大学, 環境理工学部, 助手 (10304338)
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Keywords | 二酸化炭素 / 渦相関法 / 空気力学的傾度法 / バルク法 |
Research Abstract |
我々は2001年8月5日〜7日の3日間、京都大学防災研究所附属大潟波浪観測所の桟橋で大気-海洋間における二酸化炭素交換の観測を行った。観測期間中は天候に恵まれ、昼間の海風は3〜6ms^<-1>、夜間の陸風は1〜3ms^<-1>であった。本年度の観測で得られた成果を下の2つの観点からまとめる。 1)大気-海洋間における二酸化炭素交換量測定法の確立について 二酸化炭素交換量は、渦相関法、空気力学的傾度法、バルク法の3手法で測定した。昼間、海風条件下での二酸化炭素輸送量は、渦相関法は約0.04mgm^<-2>s^<-1>、空気力学的傾度法とバルク法は約0.38mg^<-2>s^<-1>を示した。渦相関法に関しては、センサーの感度と周波数応答に問題がなく、二酸化炭素交換量を正確に測定していた。他方、空気力学的傾度法とバルク法による二酸化炭素交換量が似た値を示したが、これらの値は拡散係数とバルク係数の決め方に依存している。桟橋でのこれまでの経験と本年度の観測結果から、上の2つの係数に含まれている不確定さが解明できるとの感触を得た。 2)大気-海洋間の二酸化炭素交換量の日変化について 渦相関法で測定した二酸化炭素交換量は、海風時に約0.04mgm^<-2>s^<-1>、陸風時に約0.2mgm^<-2>s^<-1>を示した。この結果は、海風時には十分な水吹距離が確保されているので、二酸化炭素の大気-海洋間の相互作用の結果を見ることができ、陸風時には近くの陸域植生起源の二酸化炭素の移流の影響を見ている。また、観測期間中、二酸化炭素が終日海水中から大気中に放出されていることを示したが、今回の観測が海水温度の上昇時期に実施されたために、海水の溶解度が低下していることを反映していることを示唆している。 平成14年度も大潟波浪観測所での観測を充実・継続させ、空気力学的傾度法とバルク法を確立させたい。そして、その成果を船上観測に応用させたい。
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