2002 Fiscal Year Annual Research Report
生体皮膚における紫外線誘発突然変異の作用スペクトル分布の解析
Project/Area Number |
13680617
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
池畑 広伸 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (90250737)
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Keywords | 突然変異 / 紫外線 / 皮膚 / トランスジェニックマウス / 皮膚がん / オゾン層 |
Research Abstract |
紫外線波長の違いによる皮膚癌誘発のリスクを評価するために、突然変異検出用トランスジェニックマウスの一種であるMutaマウスの背中に単色光紫外線を照射して、生体皮膚における突然変異誘発の線量依存性を解析し、皮膚に対する紫外線誘発突然変異の作用スペクトルを調べた。照射は岡崎国立共同研究機構基礎生物学研究所の共同利用施設である大型スペクトログラフを用いて行った。 (1)前年度より調べる波長点を増やし、新たに285nm,295nm,307nm,319nm,325nmでも解析を行った。295nm,307nm,319nm,325nmの各単色光紫外線照射によりマウス皮膚表皮・真皮ともに線量依存的に突然変異の誘発が認められた。誘発効率は表皮の方が真皮より高かった。285nmでは表皮のみで線量依存的に突然変異の誘発が認められた。これらの結果は前年度の結果とともにUVB領域の紫外線が強い皮膚癌誘発能を持つことを裏付けている。 (2)334nm単色光紫外線では前年度より照射線量を増やして検討したところ突然変異の誘発が認められたが、かなりの高線量を要した。これらの結果は前年度の結果とともにUVA領域の紫外線による皮膚癌誘発効果があまり高くないことを示すと思われる。 (3)上記の実験で得られた生体皮膚における紫外線誘発突然変異の作用スペクトルは280〜295nmでピークを示し、そのあと334nmまでは指数関数的に単調に下降した。280〜295nmと334nmの効果の差はおおよそ10,000倍程度と見積もられた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Hironobu Ikehata: "Mutation induction with UVB in mouse skin epidermis is suppressed in acute high-dose exposure"Mutation Research. 508. 41-47 (2002)
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[Publications] Hironobu Ikehata: "Analysis of mutation spectrum in UVB-exposed mouse skin epidermis and dermis : frequent occurrence of C -> T transition at methylated CpG-associated dipyrimidine sites"Environmental and Molecular Mutagenesis. (発表予定). (2003)