2001 Fiscal Year Annual Research Report
ヒドラを用いた淡水系における内分泌撹乱物質汚染の評価
Project/Area Number |
13680623
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
木村 博 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (00110560)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福堀 順敏 滋賀医科大学, 医学部, 教務職員 (60199263)
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Keywords | ヒドラ / 水環境汚染 / 内分泌撹乱物質 / ビスフェノールA / 精子形成 |
Research Abstract |
本科学研究費採択課題では、ヒドラを用いて、内分泌撹乱物質のひとつであるビスフェノールAの生殖腺に対する影響を調べることである。予備実験においては、ビスフェノールによって、ヒドラのオス化が抑制されることを見出していた。今回、この事実を再確認するため、規模を大きくし、また、いくつかの問題点を克服して、実験を行なった。特に、ビスフェノールAは水にとけにくいため、どの方法で溶かすのがよいのかの検討をした。強アルカリに溶かしてからpHをもどす方法では、使用しているバッファーの効果が小さいため、pHによる影響を考慮に入れなくてはならないことが判明した。何種類かの方法を試した結果、DMSOに溶かす方法が最良と結論できた。同濃度のDMSOそのものの影響を対照として用いている。現在、用量依存性について詳しく調べている。その一方で、ヒドラの組織切片を用意し、顕微鏡下で精巣の形成がどのような段階を経て起こるのかの観察を開始した。ビスフェノールAが存在しない、対照群の精巣形成の組織像についてはデータがすでに得られているが、ビスフェノールA処理群について、現在、包埋が終わったところである。 ビスフェノールの効果がほぼ確実になった現在、来年に向けての準備段階に入っている。ビスフェノールAによって、誘導あるいは抑制される遺伝子群の検索のためのmRNA調製を行なった。cDNAの作成後、DRP遺伝子のクローニングに成功したので、ヒドラからの発現遺伝子の追跡のための材料づくりに問題のないことが判明している。また、他の技術的な問題点の検討にも入ったところである。
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