2001 Fiscal Year Annual Research Report
南極基地周辺における土壌藻類を用いた土壌環境評価方法の確立
Project/Area Number |
13680626
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
大谷 修司 島根大学, 教育学部, 助教授 (50185295)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
巣山 弘介 島根大学, 生物資源科学部, 助教授 (70284023)
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Keywords | 南極 / 土壌環境 / モニタリング項目 / 微生物群集 / 土壌藻類群集 / 人為影響 |
Research Abstract |
昭和基地周辺土壌を用いて藻類群集と微生物群集を土壌の環境要因と関連させて調査を行った. 土壌微生物に関しては宗谷海岸域の(1)鳥類営巣地、(2)コケ群落、(3)裸地および(4)生活圏(昭和基地周辺の観測隊員の日常的活動範囲)において採取された土壌の物理化学的および微生物的特徴を調査した。(1)〜(3)の土壌ではC/N比が1.7〜10.9であったのに対し、(4)では12.6〜57.4と明らかに高かったことから、観測隊によって炭素含有率の高い物質が持ち込まれ、土壌中に蓄積していると推察された。さらに、細菌CFU数の全細菌数に占める割合は(1)〜(3)のほとんどの地点で1%以下であったのに対し、(4)では平均3%と高く、中には9%に達する土壌もみられたことから、土壌細菌群の増殖能力が高まっている、もしくは増殖能力の高い細菌群が多いと考えられた。したがって、この割合はC/N比とともに南極における,土壌環境の監視項目になりうると考えられた。 土壌藻類に関しては,昭和基地の8箇所のモニタリング地点の土壌を用いて15℃,700〜1000Lux,12時間12時間の明暗周期の条件で培養を行い,藍藻5種類,珪藻1種類,黄緑藻6種類,緑藻16種類を分離培養した.昭和基地内の3地点からは藍藻が少ない傾向があった.Chlorella vulgarisと未同定の糸状緑藻は昭和基地内のsite1,site3からのみ出現し,富栄養な土壌から出現するナンキョクカワノリはsite1とペンギンルッカリーに近いsite8からのみ出現した. これまでに分析した土壌の物理化学的な要因では,基地内の3地点に共通して見られる特徴は認められないが,土壌藻類群集,細菌群集からみた場合,これらの地点の土壌環境は人為活動によって変化していることが示唆された.
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