2001 Fiscal Year Annual Research Report
植物の光回復遺伝子の単離解析と紫外線超耐性植物作出の基礎研究
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13680628
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
滝本 晃一 山口大学, 農学部, 教授 (00115875)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
真野 純一 山口大学, 農学部, 助教授 (50243100)
村上 柳太郎 山口大学, 理学部, 助教授 (40182109)
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Keywords | 植物 / 光回復 / DNA修復 / 紫外線 / ピリミジン二量体 |
Research Abstract |
紫外線は有効なDNA傷害因子である。植物は絶えず太陽紫外線に曝されており、種によっては生育に傷害をもたらす。生物は傷害DNAの修復機構をもっている。光回復は酵素と可視光線による紫外線傷害修復機構の1つであり、高等植物ではシロイヌナズナでその解析がなされているのみである。本研究では、これとは別の高等植物のシクロブタン型ピリミジンダイマー(CPD)光回復遺伝子(photolyase gene)の解析を行った。平成13年度はゲノムから当該遺伝子のクローニングを試みた。 この遺伝子の一部分と思われる特徴的配列を明らかにすることができたので、これの両端(5'側及び3'側)に向かってspecific primerと,random primerを用いてPCR cloningする作戦をとった。しかし特異的増幅がみられなかった。そこで、シロイヌナズナのCPD photolyase遺伝子配列からdegenarate PCR primerを多数デザインし、それと既知配列のprimer用いてここで用いた植物ゲノムを鋳型としてPCR増幅した。その結果、増幅がみられ、それをPCR産物クローニングベクターに組み込んで塩基配列を解析した。このような方法で解析領域を広げていった。また、mRNAから5'RACE法及び3'RACE法で両端配列を決定した。さらに、cDNAについても塩基配列を解析して確認した。その結果めざす遺伝子の構造を明らかにした。現在、詳細に解析中である。 このDNAが光回復機能もつかどうかを調べるため、cDNAを発現ベクターに組み込んだものを光回復欠損大腸薗に入れて検討中である。予備的結果であるが、紫外線照射した大腸菌の生存率が可視光線によって増加する傾向を認めている。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] K.Tano, Y.Iwamatsu, S.Yasuhira, Utsumi, H., K.Takimoto: "Increased base change mutations at G : C pairs in Escherichia coli deficient in Endonuclease III and VIII"J. Radiat Res.. 42(4). 409-413 (2001)