2002 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロビーム紫外線照射されたヒト細胞におけるDNA損傷および修復蛋白の可視化
Project/Area Number |
13680632
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
森 俊雄 奈良県立医科大学, 医学部, 助教授 (10115280)
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Keywords | 紫外線 / UVC / マイクロビーム / 小孔紫外線照射 / ミクロブタン型ダイマー / 6-4型ダイマー / アポトーシス / DNA損傷 |
Research Abstract |
DNA損傷に対する修復蛋白の細胞内挙動を時空間的に表示することを目的に、私達は小孔紫外線照射法を新規確立した。つまり、ポリカーボネート製ろ過膜を通して細胞に紫外線(UVC)照射することで、細胞あたり平均3ヶ所にスポット状(孔経3μm)にDNA損傷を誘発できる。実際、損傷および修復蛋白抗体を用いた免疫蛍光法を応用し、細胞におけるDNA損傷の誘発と修復および損傷部位への修復蛋白の蓄積を可視化することに成功した。一方、見方を変えれば、小孔紫外線照射法は一度に大量の細胞に局所紫外線照射を可能とする世界で初めての方法であるともいえる。この特徴を利用すれば、DNA損傷の細胞内分布と細胞毒性との関係について研究が可能となる。 正常ヒト細胞にまず局所紫外線照射あるいは全体照射を行う。両照射群において、細胞あたりのDNA損傷生成量が等しくなるとき果たして細胞毒性に差異が生じるかを検討した。つまり、DNA損傷の細胞内分布の差異が、果たして細胞毒性に差異を導くかを検討した。細胞核局所に高密度に誘発された損傷は修復能力の上限を越え、アポトーシスを誘導する可能性があり、細胞核全体に低密度で損傷を誘発された細胞に比べ紫外線感受性が高いかもしれない。精密な実験の結果、遮蔽膜を通した100J/m2の局所照射は、遮蔽しない5J/m2の全細胞照射とほぼ同数のシクロプタン型タイマー(CPD)および6-4型ダイマ-(6.4PP)を誘発することがわかった。また、この等量損傷を誘発する二つの照射系は、同程度の細胞毒性および細胞周期分布(アポトーシスを示すsub-G1を含む)を誘発することがMTSアッセイおよびフローサイトメーターを用いて明らかとなった。さらに、核内分布の異なる等量のDNA損傷の修復は有意な差異を示さないことも明らかとなった。 これらの結果は、調べた損傷量の範囲において、DNA損傷の細胞内分布は細胞毒性を引き起こす要因として細胞の総損傷量ほど重要ではないことを示唆する。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] K, Imoto et al.: "The Total Amount of DNA Damage Determines Ultraviolet-radiation-induced Cytotoxicity After Uniform or Localized Irradiation of Human Cells"J. Invest. Dermatol.. 119. 1177-1182 (2002)
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[Publications] R, Takimoto et al.: "BRCA1 transcriptionally regulates damaged DNA binding protein (DDB2) in the DNA repair response following UV-irradiation"Cancer Biol. Ther.. 1. 177-186 (2002)
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[Publications] M, Wakasugi et al.: "DDB Accumulates at DNA Damage Sites Immediately after UV Irradiation and Directly Stimulates Nucleotide Excision Repair"J. Biol. Chem.. 277. 1637-1640 (2002)
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[Publications] Y, Akiyama et al.: "Antitumor effects induced by dendritic cell-based immunotherapy against established pancreatic cancer in hamsters"Cancer Lett.. 184. 37-47 (2002)
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[Publications] T, Mori, N, Kobayashi: "Quantization and visualization of ultraviolet・・・"J. Nara Med Assoc.. 53. 179-191 (2002)
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[Publications] S, Katsumi et al.: "In Situ Visualization of Ultraviolet-Light-Induced DNA Damage Repair in Locally Irradiated Human Fibroblasts"J. Invest. Dermatol.. 117. 1156-1161 (2001)
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[Publications] 花岡文雄: "ゲノムの修復と組換え-原子レベルから疾患まで-"シュプリンガー・フェアラーク東京(株). 161 (2003)