2001 Fiscal Year Annual Research Report
持続可能な環境資源利用システムに関する研究-インドシナ半島を対象として-
Project/Area Number |
13680657
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Research Institution | Nihon Fukushi University |
Principal Investigator |
千頭 聡 日本福祉大学, 情報社会科学部, 助教授 (70236800)
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Keywords | 焼畑 / 土地・森林分配 / 森林管理 / ラオス / 食材 |
Research Abstract |
3ケ年の研究の初年度にあたる2001年度は、以下のような研究を行った。 (1)既存研究のサーベイ インドシナ半島、とりわけラオスおよびタイにおける焼畑問題、森林の保全と利用、生活改善などに関する既往の文献や調査等のサーベイランスを行った。 (2)ラオスにおける調査実施のための調整と事前調査 ラオス北部のルアンナムタ県、中北部ルアンパバン県、南部サヴァナケット県において、土地利用、焼畑農民の生活実態、焼畑に関わる規制、土地・森林分配事業などに関する事前調査(9月の雨期および1月の乾期)を行った。ルアンナムタ県においては、ケシ栽培からの転換を軸とした食糧保証プログラムと、焼畑安定化政策とのリンケージの必要性が明らかとなった。ルアンパバン県においては、土地・森林分配事業の結果配分された土地の利用方法に関する実態調査を開始し、あわせて近年の低地への移住政策と焼畑安定化との関連性を検討した。南部サヴァナケット県については、コーヒー等の換金作物と森林との土地利用上のコンフリクト発生の可能性があきらかとなり、総合的な土地利用政策の必要性が浮き彫りとなった。 (3)ルアンパバン県における焼畑農民の森林依存度に関する調査 ルアンパバン県シングン郡の数ケ村を選び、食材、資源採取などの視点からみた焼畑農民の森林への依存度を調査し、村落により、いくつかのパターン分ができることがあきらかとなった。また土地・森林分配事業に基づいて分配された森林の、村落による管理と利用の実態に関するヒヤリング調査を行い、森林法等に基づく法的な規制と、実際の村落レベルでの規則にかなりの差異があることがあきらかとなった。
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