2001 Fiscal Year Annual Research Report
日独比較による環境負荷の少ない循環型社会構築に関する研究
Project/Area Number |
13680659
|
Research Institution | Kobe Yamate University |
Principal Investigator |
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 加都子 神戸山手大学, 人文学部, 助教授 (10330507)
|
Keywords | 循環型社会 / ライフスタイル / ドイツ / 環境 / 洗濯 / 暖房 / 省エネルギー |
Research Abstract |
環境を配慮する循環型社会を構築していくためには、技術的効率の向上、新法制度の確立および経済的整合性以外に、今までのライフスタイルや価値観を見直す必要があると指摘されている。最近はドイツが「環境先進国」として日本に広く知られ常に「お手本」とされている。しかし、ドイツ人のライフスタイルを反映しているドイツの環境対策を模範にしてよい結果を生み出すことは保証できない。 まず、平地の多いドイツと比べ、日本は過密な状況であり、多雨国でもある。ドイツでは、夏は日本と同様暑くなる地域もあるが、気温は日本の平均より低く、北海道ぐらいである。したがって、デパート、スーパーや公共ビルなどを除いて、エアコンは一般の家庭に設置していない。これは、夏場の気温は日本と同じぐらい高くなることはあっても、湿度が低いため、蒸し暑い感じはしない。 湿度の違いは洗濯の習慣に現れる。日本ほど晴天の日が少ないため殺菌に対する感覚が異なり、紫外線の変わりに高温を使うのが普通の考えである。一般に洗濯に40〜60度ぐらいのお湯が使われるが、95度の高温で洗うこともある。現にドイツの洗濯機は95度まで設定することができ、新生児の衣類や布巾などはこのような温度で洗うことが多い。 冬の気温がかなり下がるドイツでは、夏の冷房用のエアコンがいらない代わりに冬の暖房は欠かせない。ドイツの各住宅の地下などにあるボイラー室で燃料油や天然ガスを使って集中的に温水を作る際の排気と煙の排出のため屋根には必ず煙突が付いている。集中暖房機は24時間運転されており、基本的には全館暖房で、各部屋に暖房器具を置く習慣はなくなった。しかし、その代わりに住宅断熱法はより厳しくなり、暖房熱をなるべく無駄にしないように省エネルギー対策をとることとなった。 このような要因の違いにより究者や技術者の目が異なる問題に向き、国々独特の製品が生まれてくる。
|