2001 Fiscal Year Annual Research Report
半自然的な生態系に生育する絶滅危惧植物の保護管理に関する研究
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13680660
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Research Institution | Hokkaido College, Senshu University |
Principal Investigator |
石川 幸男 専修大学北海道短期大学, 造園林学科, 教授 (80193291)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 哲也 北海道大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (10153727)
本多 和茂 専修大学北海道短期大学, 造園林学科, 講師 (30279442)
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Keywords | 絶滅危惧植物 / 分布限界 / 繁殖特性 / 個体群動態 |
Research Abstract |
カタクリの開花期間中の生育環境を明らかにする目的で、北海道内でカタクリが分布する三地域(網走、上川、空知管内)において、4月下旬からデータロガを用いて気温を計測した。その結果、道東の網走管内においては、他の2管内に比べて気温が常に低く推移していた。また開花期間中である4月下旬から5月上旬の気温の記録から、道東においては気温の日変動が大きいことが明らかになった。 開花から雌雄期間の成熟にいたる過程について調査した結果、多くの個体が開葯終了後に雌蘂が成熟し、雄性先熟の特性を持つことが確認された。その一方で、雌雄同熟の個体も各地でそれぞれ観察された。雄性先熟の程度は地域によって若干異なっていた。さらにある地域では雌性先熟の個体も少数であったが観察された。 繁殖特性、あるいは結果・結実を左右する要因を明らかにする目的で、上記三地域で交配実験を行った。その結果、すべての地域において、強制他花授粉での結果率と結実率がともに上昇した。また、強制自家授粉を行ったところ、空知管内の個体群ではまったく結果しなかったのに対して、上川管内では2割程度、分布東限に近い網走管内では6割程度の個体で結果した。このことから北海道内の一部のカタクリ個体群は自家和合性を獲得していると判断された。さらにその程度は地域によって異なることが推察された。2002年度には、それぞれ異なる繁殖特性をもつ上記個体群間で、繁殖器官やその他の器官の形態的特性にどのような差異があるか、明らかにしてゆく予定である。 さらにこうした繁殖特性が個体群の動態、存続に与える影響を明らかにするため、上記三地域のうちの網走、上川両管内、および北海道南部の檜山管内で個体群の追跡調査も継続している。追跡年数が長くないことから、本課題終了時まで継続して調査する予定でいる。
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