2002 Fiscal Year Annual Research Report
半自然的な生態系に生育する絶滅危惧植物の保全管理に関する研究
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13680660
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Research Institution | Hokkaido College, Senshu University |
Principal Investigator |
石川 幸男 専修大学北海道短期大学, 造園林学科, 教授 (80193291)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 哲也 北海道大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (10153727)
本多 和茂 専修大学北海道短期大学, 造園林学科, 助教授 (30279442)
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Keywords | 授粉実験 / 自動自家受粉 / 発芽特性 / 推移確率行列 / 行列モデル |
Research Abstract |
本研究で用いているカタクリにおいては、種子散布直後には胚が未熟で、複雑な種子発芽様式をもつ本種は、夏の変温条件に90日放置したあと低温におくと、胚が発達して発芽する。この点に関しては、次ページ11.の研究発表に記したAmerican Journal of Botanyに成果を発表した。次に昨年度の調査によって、北海道内の一部の個体群は自家和合性を獲得していたが、今年度は自動自家授粉能力を明らかにするために花期に袋かけを行い、柱頭への受粉花粉量、花粉管の伸長および子房上部への到達程度を観察した。また結果率・受精率および結実率を調査した。自動自家授粉による柱頭への受粉量については、端野および旭川では花粉が数百個付着している柱頭が最も多く、ピンネシリではこれらより少なかった。花粉管の伸長程度は、端野で格段に良好だった。子房上部への到達程度についても端野で最も良好で、続いて旭川>新十津川の順だった。結果率は端野で約3割と最大であったのに対して、新十津川では結果しなかった。旭川での値は中間的であった。さらに受精率と結実率ともに端野では旭川よりも高かった。また、自動自家受粉によって得られた種子について、近藤が明らかにした発芽条件を用いて発芽実験を行ったところ、発芽が確認されて種子の稔実性に問題がないことが示された。さらに上記三地域のうちの網走、上川両管内に加えて、北海道南部の檜山管内で個体群の追跡調査も継続している。これまで二年間の調査結果より、個体サイズごとの推移確率行列を構築している。また行列モデルを用いて、個体群の推移に関する予備的なシミュレーション実験を実施した。それによると自家和合性の程度が最も高い網走の個体群で、個体群が縮小してゆく傾向がうかがわれた。一方、上川と檜山の両個体群は安定した個体群構造を維持していた。経過年数が必ずしも長くないので、補助最終年度である今年後の追跡調査のデータを加えて、最終的に考察する予定である。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Kondo T., Okubo N., Miura T., Honda K., Ishikawa Y.: "Ecophysiology of seed germination in Erythronium japonicum (Liliaceae) with underdeveloped embryos"American Journal of Botany. 89(11). 1779-1784 (2002)