2001 Fiscal Year Annual Research Report
ヨシ根圏のルートマット化に伴う有機質土壌の分解・減量化機構の解明
Project/Area Number |
13680663
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Research Institution | Fukushima National College of Technology |
Principal Investigator |
原田 正光 福島工業高等専門学校, 建設環境工学科, 助教授 (60198926)
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Keywords | Reed / Rhizosphere / Root-mat / Oxidation-reduction potential / micro-aerobic condition / Organic carbon / Heterotrophic bacteria / Biological decomposition |
Research Abstract |
ヨシの根圏土壌中では、地上部からの酸素供給により好気性微生物が生息できる領域が形成され、水質浄化能力を高めている。一方、ヨシの地下茎や根は土壌中を縦横に伸びて根圏を拡大し、次第に土壌と置き換わる現象、いわゆるルートマット化が観察されており、ヨシの機能の一つとして、有機質土壌の分解・減量化作用に注目している。 本研究では、ヨシ根圏におけるルートマツトの形成過程とこれに伴う土壌有機物の分解及び減量化特性を把握するために、種子から発芽させたヨシ苗をカラムまたはポットに植栽した実験を通して、根圏の発達が土壌性状に及ぼす影響について検討を行っている。 これらの検討から、カラム実験では、嫌気性土壌中でヨシの根圏が拡大するにつれて、土壌中の酸化還元電位(ORP)が増加する領域が下層に広がり好気的な領域が拡大すること、根の活性が高い層ほどORP値が高くなることが示された。 ポット実験からは、ヨシを植栽した土壌中での有機物量は、地上部からの有機物供給と根圏での有機物分解のバランスにより決定されるが、ヨシを植栽することにより、またその成長に伴い、土壌中の有機物量が減少することが示された。これは、地上部から根圏への酸素の供給と光合成に伴い土壌中に放出された有機物の供給により、根圏における好気性従属栄養細菌の働きが活性化されたために、土壌中の有機物分解が進行したものであると考えられた。
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Research Products
(1 results)