2004 Fiscal Year Annual Research Report
蝶番糖の柔軟性およびアロステリック性を利用した機能性生体分子の構築
Project/Area Number |
13680668
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Research Institution | TOKYO INSTITUTE OF TECHNOLOGY |
Principal Investigator |
湯浅 英哉 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 助教授 (90261156)
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Keywords | 分子デバイス / 分子機械 / 蝶番糖 / 機能性オリゴ糖 / バイオセンサー / 蛍光センサー / エキシマーコンプレックス / 分子ペンチ |
Research Abstract |
申請者らは、2,4-ジアミノ-2,4-ジデオキシ-キシロピラノシド(以下、蝶番糖)のアミノ基に亜鉛イオンや水銀イオンをキレート配位させると^4C_1型から^1C_4型に立体配座が変化することを見出している(H.Yuasa ; H.Hashimoto J.Am.Chem.Soc.121,5089(1999))。さらに、蝶番糖の1位と3位に糖を付けると、金属の添加で折れ曲がる三糖となることもわかった。また、白金イオンを用いると折れ曲がった状態で固定できることも明らかにしている(T.Izumi ; H.Hashimoto ; H.Yuasa Chem.Commun.94(2004))。さらに、蝶番糖を軸とする分子ペンチを構築し、ペンチの先に蛍光基としてピレン分子を二つ導入し、キレート結合によって分子ペンチが閉じエキシマー蛍光を発する金属センサーの開発を行ない、亜鉛イオン選択的センサーの合成に成功している(H.Yuasa ; N.Miyagawa ; T.Izumi ; M.Nakatani ; M.Izumi ; H.Hashimoto Org.Lett.6,1489(2004))。今回、蝶番糖を含む種々の二糖および三糖を合成し、N, N'-カルボニル化と各種金属イオンへのキレート配位により蝶番部分の折れ曲がりやすさを検討した。その結果、還元末端と非還元末端の両方にマンノースが含まれる三糖が著しく折れ曲がりやすく、糖-糖相互作用が重要な働きをしていることが示された。これにより、機能性オリゴ糖などにおいて実用的な動的な部品を提供することが可能となった。
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Research Products
(3 results)