2002 Fiscal Year Annual Research Report
イオンチャネルの機能解明を目指したペプチド毒の合成研究
Project/Area Number |
13680675
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Research Institution | Fukuoka Women's University |
Principal Investigator |
佐藤 一紀 福岡女子大学, 人間環境学部, 教授 (10326473)
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Keywords | イオンチャネル / ペプチド毒 / コノトキシン / イモ貝 / ペプチド合成 / キメラアナローグ |
Research Abstract |
1.L型Ca^<2+>チャネル阻害剤ω-コノトキシンTxVIIとNa^+チャネル不活性化阻害剤δ-コノトキシンTxVIAは3本のS-S架橋による4ループ構造をもっている。まず分子中央にあるCys-Cys配列を挟んでN端側がδTxVIA、C端側がωTxVIIであるキメラアナローグを合成した。収率は並行して合成した天然物とほぼ同程度であった。CDスペクトルの測定でもωコノトキシンに共通するパターンが観測され、S-S架橋が天然型であることが示唆された。一方、N端側がωTxVII、C端側がδTxVIAであるキメラアナローグの合成は困難を極めた。そのためチャネル選択性が生じる原因を明らかにするためにNMRによるδTxVIAの詳細な立体構造解析をおこなった。その結果を既に報告済みのωTxVIIの構造と比較すると基本的な構造モチーフはωコノトキシンー般に共通のものであったが、分子表面の疎水性残基の集合状態にかなりの相違が見られた。イオンチャネルのアミノ酸配列を考慮に入れて、この疎水性面の違いがチャネル特異性に寄与しているものと考察した。 2.コノトキシンの研究と並行して東南アジア産黒サソリ(Heterometrus fulvipes)から単離されたサソリ毒Hefutoxinの合成研究を行った。化学合成によりその構造を確認し、さらに酵素分解によりS-S架橋様式を明らかにした。NMRによる詳細な立体構造解析の結果、3残基ずつ離れて位置する2組のCys残基間のS-S架橋により2本のヘリックスが梯子状に架橋され安定化された新規の立体構造モチーフ持つことを明らかにした。この構造にはK^+チャネル阻害剤共通のパターンが認められた。そして電気生理学的解析によりHefutoxinが電位依存性K^+チャネルKv1.2とKv1.3を阻害することを明らかにした。また、S-S架橋異性体はヘリックス構造をとらないことを明らかにした。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Kohno, T.: "Three-dimensional structure in solution of the sodium channel agonist/antagonist δ-conotoxin TxVIA"J. Biol. Chem.. 277. 36387-36391 (2002)
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[Publications] Quetglas, S.: "Calmodulin and lipid binding to synaptobrevin regulates calcium-dependent exocytosis"EMBO J.. 21. 3970-3979 (2002)
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[Publications] Srinivasan, K.N.: "κ-Hefutoxin 1, a novel toxin from the scorpion heterometrus fulvipes with unique structure and function : importance of the functional diad in potassium channel selectivity"J. Biol. Chem.. 277. 30040-30047 (2002)
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[Publications] Nakamura, M.: "Generation of polyclonal antibody against μ-Conotoxin GIIIA using an immunogen of [Cys^5]μ-conotoxin GIIIA site-specifically conjugated with bovine serum albumin"Biochem. Biophys. Res. Commun.. 290. 1073-1041 (2002)
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[Publications] Li, R.A: "Charge conversion enables quantification of the proximity between a normally-neutral μ-conotoxin (GIIIA) site and the Na^+ channel pore"FEBS Lett.. 511. 159-164 (2002)
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[Publications] Minami, K.: "Role of Thr11 in the binding of ω-conotoxin MVIIC to N-Type Ca^<2+> channels"FEBS Lett.. 491. 127-130 (2001)