2001 Fiscal Year Annual Research Report
神経系特異的糖鎖による細胞接着分子の機能調節に関する研究
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13680688
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岡 昌吾 京都大学, 薬学研究科, 助教授 (60233300)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川嵜 敏祐 京都大学, 薬学研究科, 教授 (50025706)
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Keywords | HNK-1糖鎖抗原 / グルクロン酸転移酵素 / 細胞接着分子 / 遺伝子欠損マウス / L1 / NCAM |
Research Abstract |
単クローン抗体HNK-1により認識されるHNK-1糖鎖抗原は、昆虫から哺乳動物まで広く神経系組織に分布し、しかも時期特異的に発現する抗原である。申請者らは既に、HNK-1糖鎖抗原の生合成に関与するグルクロン酸転移酵素(GlcAT-P)および硫酸基転移酵素のcDNAのクローニングに成功している。また得られた酵素遺伝子を用いて本糖鎖の強制発現細胞を作成し、HNK-1糖鎖が細胞間相互作用や細胞突起伸長に深く関与することを明らかにした。さらに最初にクローニングしたGlcAT-P遺伝子を欠損したマウスの作成にも成功している。そこで本年度の研究において以下の知見を得た。 1)HNK1糖鎖発現による細胞接着分子の機能的変化の解析 GlcAT-P cDNAを安定形質導入したCOS-1細胞を用いてHNK-1糖鎖を分子内に持つ細胞接着分子をin vitroで得、HNK-1糖鎖発現による細胞接着分子の機能的変化を分子レベルで解析した。具体的にはNCAMやL1を発現プラスミドに組み込み、これをCOS-1細胞およびHNKl発現COS-1細胞に導入した。それぞれの細胞から得られた細胞接着分子を用いてホモフィリックな結合能を測定した。その結果HNK-1糖鎖を発現するNCAMやL1は、HNK-1糖鎖を発現しないものに比べホモフィリックな結合能が減少していることが明らかとなった。 2)GlcAT-P遺伝子欠損マウスの解析 申請者らは既にGlcAT-P遺伝子を欠損するホモ変異マウスを得ている。本マウスを免疫組織化学的に解析したところ、大部分のHNK-1糖鎖抗原の発現は消失しているものの、幾つかの脳の領域においてHNK1糖鎖抗原発現が残存していることが明らかとなった。この残存するHNK-1糖鎖を詳細に解析した結果古くから知られているperineuronal net構造に対応することが明らかとなった。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] S.Yamamoto, S.Oka: "Glucuronyltransferases involved in the HNK-1 carbohydrate epitope biosynthesis"Trends in Glycoscience and Glycotechnology. 13・70. 193-208 (2001)
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[Publications] A.Ikeda et al.: "Mixed Lineage Kinase LZK Forms a Functional Signaling Complex with JIP-1, a Scaffold Protein of the c-Jun NH2-terminal Kinase Pathway"J.Biochem. 130・6. 773-781 (2001)
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[Publications] R.Katsuyama et al.: "Expression of Macrophage Asialoglycoprotein-Binding Protein Is Induced through MAPK Classical Pathway"Biochem.Biophys.Res.Commun.. 280・5. 1269-1273 (2001)
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[Publications] A.Ikeda et al.: "Identification and characterization of functional domains in a mixed lineage kinase LZK"FEBS Lett.. 488・3. 190-195 (2001)