2001 Fiscal Year Annual Research Report
Na^+/H^+交換輸送蛋白質の構造・機能・制御と細胞内局在化の分子機構の解明
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13680689
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
金澤 浩 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50116448)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 徳弘 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (90324748)
井上 弘樹 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (10294448)
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Keywords | pHセンサー / イオン輸送分子機構 / Na^+ / H^+交換輸送 / アポトーシスキナーゼ / カルシューム結合蛋白 |
Research Abstract |
細菌、酵母、ラットを研究材料として、Na+/H+交換輸送蛋白質におけるイオン輸送に関わる分子機構を明らかにする目的で、本年度以下の3点の研究成果を得た。 1.Na+/H+交換輸送担体NhaAの一次構造は大腸菌と胃潰瘍原因菌であるH. pyroliにおいて高い相同性が存在する。しかし、イオン交換輸送活性の挙動はpHに依存して両者で大きく異なる。pH6-pH8.5の広い範囲でピロリ菌では活性があるのに対し、大腸菌ではpH7.5-8.5でのみ活性を発現する。ランダムな変異をピロリ菌NhaA全体に導入しこのpH感知能力(センサー)の違いを構造上に位置づけ、イオン輸送、およびセンサーに関わる構造を推定した。この結果、3つの異なる内在性部分に40の機能変換おび機能欠損を示す点突然変異が集中的に存在することが明らかとなった。また、ピロリ菌のpHセンサー構造は、酸性側でも機能しうるような構造変換が第4,第10膜貫通領域でおこったものと推定された。 大腸菌と共通な構造に加えて、このような変換が存在することが初めて明らかになった。2.酵母のNa+/H+交換輸送担体Nba1の細胞質ドメインに系統的に欠失起こした分子を作製し、この部分のイオン輸送における制御上の役割を明らかにする実験をおこなった。この結果、輸送機能の正および負の調節に関与している2カ所の異なる部分が存在すると考えられる結果が得られた。また、もっとも細胞膜に近い部分が細胞内部の粗面小胞体から細胞膜へのNhaA分子の移行に必要であることが明らかになった。 3.研究代表者等はラットのNa+/H+交換輸送担体蛋白質NHE1の細胞質ドメインに結合するカルシニューリンB様蛋白質をこれまで単離していた。この蛋白質(CHP)に結合する蛋白質を探索し、新規のapoptosisキナーゼをクローン化した。この蛋白質とNHE1の関係を探る目的で、NHEのリン酸化を調べたが、リン酸化は認められなかった。さらに、CHPの新規なアイソフォームを発見した。このアイソフオームがNHE1-5へ結合出来ることを明らかにした。 上記に関わる成果を3編の論文および日本生化学会大会で発表した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Inoue, H., Tsuboi, Y., Kanazawa H.: "Chimeric Na^+/H^+ antiporters of NhaA from Helicobacter pylori and Escherichia coli : Implications for domains of NhaA for pH sensing"J. Biochem.. 129. 569-576 (2001)
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[Publications] Hayami, K., Noumi, T., Inoue, H., Ge-Hong Sun-Wada., Yoshimizu, T., Kanazawa, H.: "The murine genome contains one functional gene and two pseudogenes coding for the 16 kDa proteolipid subunit of vacuolar H^+-ATPase"Gene. 273. 199-206 (2001)
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[Publications] Matsumoto, M., Miyakae, Y., Nagita, M., Inoue, H., Shitakubo, E., Takemoto, K., Ohtsuka, C., Nakamura, N., Kanazawa, H.: "A serine/threonine kinase which causes apoptosis like cell death interacts with a calcineurin B like protein capable of binding Na^+/H^+ exchanger 1"J. Biochem.. 130. 217-225 (2001)