2002 Fiscal Year Annual Research Report
無細胞翻訳系によるセレノメチオニン標識タンパク質の生産とX線結晶構造解析への応用
Project/Area Number |
13680692
|
Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
堀 弘幸 愛媛大学, 工学部, 助教授 (20256960)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澤崎 達也 愛媛大学, 工学部, 助手 (50314969)
|
Keywords | 無細胞翻訳系 / 多波長異常分散 / セレノメチオニン標識 / X線結晶構造解析 / RNA修飾酵素 |
Research Abstract |
無細胞翻訳系によるセレノメチオニン(SeMet)標識を、クラゲ蛍光タンパク質(GFP)および菌ジヒドロ葉酸還元酵素(DHFR)をモデルタンパク質として検討した。その結果、いずれのタク質も、メチオニン(Met)を用いた通常の合成量に匹敵する量で合成が可能であった。合成したパク質中のSeMet置換は、液体クロマトグラフィー質量分析により確認した。全液体クロマトグを精査しても、内在性Metによる該当ペプチドを検出できなかったことから、SeMet置換量は100%に近いことが確認された。また、この過程でSeMet標識タンパク質を、-80℃で6ヶ月間してもSeMet基が酸化を受けないことも確認された。 GFPの発色団形成は、通常のメチオニン標識よりもややスローであったが、その蛍光スペクはSeMet-GFPとMet-GFP間でよい一致をしめした。この結果は、少なくとも発色団近傍のタク質立体構造形成にSeMet標識が何も影響を与えないことを示している。また、DHFRの場合、残基の位置が触媒機構上重要なMet20-ループに含まれることから、触媒活性への影響が懸念さが、これもほぼ同等の活性を有することが確認された。 これら、モデルタンパク質による標識の検討を終え、X線構造解析に着手しているtRNA修飾のSeMet導入部位検索に利用した。現在、本酵素は1.5Å解像度で構造精密化を行なっている。 よって、無細胞翻訳系により、高効率でSeMet標識が可能であることが確認され、x線結晶構造解析への応用が可能なものと考えている。本研究の一部は、日本生化学会および分子生物学会において発表し、解析中の遺伝子のクローニングおよびドメイン構造、活性に必須なアミノ酸残基についてはすでにい、くつかの論文として公表した。構造解析の詳細については、平成15年度以降、順次、論文として発表する予定である。
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] H.Hori, T.Suzuki, K.Sugawara, Y.Inoue, T.Shibata, S.Kuramitsu, S.Yokoyama, T.Oshima, K.Watanabe: "Identification and Characterization of tRNA-(Gml8)-methyltransferase from Thermus thermophilus HB8; Domain Structure and Conserved Amino Acid Sequence Motifs"Genes to Cells. 7. 259-272 (2002)
-
[Publications] H.Takeda, H.Hori, Y.Endo: "Identification of A quifex aeclicus tRNA (m^2_2G26) Methyltransferase Gene"Nucleic Acids Res. Supplement. 2. 229-230 (2002)
-
[Publications] N.J.Cosper, R.A.Scott, H.Hori, T.Nishino, T.Iwasaki: "X-Ray Absorption Spectroscopic Analysis of the High-Spin Ferriheme Site in Substrate-Bound Neuronal Nitric-Oxide Synthase"J. Biochem.. 130. 191-198 (2001)
-
[Publications] K.Watanabe, H.Hori, Y.Endo: "Identification of Essential Amino Acid Residues of tRNA (Gm18) Methyltransferase for Methyl-Transfer Activity"Nucleic Acids Res. Supplement. 1. 33-34 (2001)
-
[Publications] J.-M.Park, T.Higuchi, K.Kikuchi, Y.Urano, H.Hori, T.Nishino, J.Aoki, K.Inoue, T.Nagano: "Selective Inhibition of Human Inducible Nitric Oxide Synthase by S-Alkyl-L-Isothiocitrulline-Containing Dipeptide"British J. Pharmachol.. 132. 1876-1882 (2001)