2001 Fiscal Year Annual Research Report
三次元自由エネルギー解析によるアミノ基転移酵素のプロトン移動機構の研究
Project/Area Number |
13680697
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
林 秀行 大阪医科大学, 医学部, 助教授 (00183913)
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Keywords | プロトン移動 / pKa / 触媒反応機構 / アミノ基転移酵素 / ピリドキサールリン酸 / 歪み / 自由エネルギー / エネルギー障壁 |
Research Abstract |
1 アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼと正常基質との反応を時分割スペクトルのグローバルアナリシスおよび重水素同位体効果の解析を組み合わせることにより,重要な中間体間の速度定数の大部分を決定した。特に従来基質アナログとの反応でしか見られなかった「基質結合に伴う補酵素-Lys258シッフ塩基のpK_a、の上昇」を正常基質について初めて証明した。このpK_aの上昇は基質結合に伴って大小ドメインが接近するとGly38主鎖のカルボニル基がシッフ塩基に接近するために,脱ブロトン化状態にあるシッフ塩基と静電的な反発を起こすためであることをV39F変異によって示した。これを本研究の主題である「三次元エネルギー準位解析」に供したところ,Gly38の動きはミハエリス複合体の不安定化を起こし,それによってたk_<cat>を増大していることが本質的な意義であることが判明した。したがって,従来から言われてきた「基質結合に伴うシッフ塩基のpK_aの上昇」は「ミハエリス複合体の不安定化」の結果として起こった付随的現象であることが示された。 2 アミノ基転移酵素の近縁酵素であるラセマーゼのプロトン移動過程においては触媒に必須の塩基残基間のプロトン移動過程が問題であった。基質アナログと補酵素の複合体の結晶解析に分子軌道計算を組み合わせることにより,基質カルボキシル基がこのプロトン移動を仲介し,さらに,それを可能とするように補酵素のプロトン化状態が調節されていることを示した。 3 ヒスチジノールリン酸アミノ基転移酵素,分枝アミノ酸アミノ基転移酵素について単独および基質(アナログ)複合体の結晶構造を得た。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Haruyama, K.: "Structures of Escherichia coli histidinol-phosphate aminotransferase and its complexes with histidinol-phosphate and N-(5'-phosphopyridoxyl)-L-glutamate : Double substrate recognition of the enzyme"Biochemistry. 40・15. 4633-4644 (2001)
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[Publications] Ikushiro, H.: "A water-soluble homodimeric serine palmitoyltransferase from Sphingomohas paucimobilis EY2395T strain. purification, characterization, cloning, and overproduction"J. Biol. Chem.. 276・21. 18249-18256 (2001)
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[Publications] Okada, K.: "Structures of Excherichia coli branched-chain amino acid aminotransferase and its complexes with 4-methylvalerate and 2-methylleucine : Induced fit and substrate recognition of the enzyme"Biochemistry. 40・25. 7453-7463 (2001)
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[Publications] Watanabe, A.: "Reaction mechanism of alanine racemase from Bacillus stearothermophilus : X-ray crystallographic studies of the enzyme bound with N-(5'-phosphopyridoxyl)-alanine"J. Biol. Chem.. 277(in press). (2002)
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[Publications] 林 秀行: "酵素反応のエネルギー論"生化学. 74・1. 5-16 (2002)