2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13680718
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
荻島 正 九州大学, 理学研究院, 助教授 (70177153)
|
Keywords | タンパク質分解 / ミトコンドリア / 基質認識 / 光親和性標識 |
Research Abstract |
1)ミトコンドリアプロセシングペプチダーゼとペプチド基質との光親和性標識をおこなった結果、切断部位のC-末端(P1')の位置に光親和性標識基を導入したペプチドは酵素のβサブユニットに結合した。これはX-線結晶解析でβサブユニット77PheがP1'アミノ酸に近接していることと一致した。光親和性標識基の導入位置が切断部位からC-末端に離れるに従い、標識されるサブユニットがαへと変化した。光親和性標識基が結合している酵素フラグメントを二次元電気泳動で分離を試みているが、未だに純化に至っていない。 2)酵素のβサブユニット77PheをTyr, Leu, Serなどの別のアミノ酸に変異させた。変異酵素を大腸菌から精製し、ペプチド基質との速度論的解析をおこなった。すべての変異体において、反応のミカエリス定数はあまり変わらず、触媒活性が劇的に低下した。これらの変化は基質側のP1'を変化させたさいの変化よりも大きい。 3)一部アミノ酸を改変した酵素を大腸菌で合成、これに蛍光標識基および蛍光受容基を導入した。もし基質結合に伴う酵素構造変化があれば、基質結合の前後で蛍光標識基-蛍光受容基間の距離の変化による蛍光強度の変化が観察される。今のところペプチド基質添加による顕著な構造は観察されていない。ストップドフローなどにより時間分解的解析が必要かもしれない。 4)これまでに明らかにした切断シグナルのなかで-2のアルギニンはもっとも重要なシグナルのひとつであるが、前駆体基質のなかにはこれを持たないものが存在する。そこで、P-450sccの前駆体の-2のアラニンをアルギニンに変異させたところ、切断効率は上昇した。この結果、基質はいくつかのシグナルのうち、ある一定以上のものを持てばよいことが判明した。
|
Research Products
(1 results)
-
[Publications] Kojima, K., Yamasaki, E., Kitada, S., Ogishima, T., Ito A: "Recognition of Mitochondrial Protein Precursor Lacking Arginine at Position -2 by Mitochondrial Processing Peptidase"J. Biochem.. 130. 497-502 (2001)