2001 Fiscal Year Annual Research Report
多細胞生物プロテオリシス系の網羅的ポストゲノム解析
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13680725
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
井上 英史 東京薬科大学, 生命科学部, 助教授 (20184765)
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Keywords | 線虫 / C. elegans / RNAi / プロテオリシス / プロテアーゼ / プロテアソーム / ADAMTS |
Research Abstract |
線虫C. elegansが持つすべてのプロテアーゼおよびプロテアーゼインヒビター様遺伝子を標的に,RNAiによる機能検索を行った.現在までに約170の遺伝子についてRNAiを行い,致死,不妊,生殖巣の形成異常,成長の遅延,形態の異常,脱皮の異常などを見出している. 26Sプロテアソームの20Sコアのサブユニット8種についてRNAiを行った結果はいずれも致死であった.また,19S調節因子の17種のサブユニットすべてについてRNAiを行った結果は,Rpn9,Rpn10,Rpn12以外はすべて致死であった.このことから,26Sプロテアソーム,およびそのサブユニットのほとんどはC. elegansに必須である.Rpn9,Rpn10,Rpn12について二つずつ組み合わせて複合RNAiを行った結果は,Rpn10+Rpn12のみ致死であった.この二つのサブユニットは何らかのメカニズムに互いに補い合える機能を持っていると考えられる.(論文投稿中) cDNAクローニングにより新規のADAMTSを同定した.この遺伝子産物の構造はdatabaseに記載されていたGeneFinderによる予測構造とは異なっていた.この遺伝子産物をRNAiによって抑制すると,C. elegansに一過的な運動障害が現れ,また体が寸胴になるという表現型を示した.この遺伝子の転写産物は体壁に発現しており,タンパク質はその外側(下皮側)に分泌されていた.硫酸グリコサミノグリカンへの結合モチーフを持っていることと合わせて,基底膜の構築に関与していることが推定される.(論文投稿準備中)
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