2003 Fiscal Year Annual Research Report
ε型Cキナーゼによるケラチン構造の制御と生理機能の解析
Project/Area Number |
13680729
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
秋田 朗子 (財)東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 主任研究員 (40124432)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川崎 博史 横浜市立大学, 木原生物学研究所, 助教授 (70169704)
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Keywords | プロテインキナーゼC / ケラチン / リン酸化 / プロテオーム解析 / 質量分析 / ホルモン / 中間径線維 / 細胞骨格 |
Research Abstract |
本研究は、脳下垂体腫瘍由来GH細胞のホルモン刺激応答系をモデル系として、ε型PKCの生理的基質として同定したII型ケラチンに焦点をあて、ε型PKCの活性化以降の分子機構と細胞骨格繊維構造の生理機能について明らかにすることを目的とした。昨年度までに、ε型PKC過剰発現細胞株と野生株を用いて、視床下部ホルモンのTRH(thyrotropin-releasing hormone)刺激による細胞内蛋白質のリン酸化動態についてプロテオーム解析を行い、比較検討した。その結果、PKCを介した間接的なcofilin/destrinの活性化と、ε型PKCによるMARCKSとII型ケラチンの直接的活性化が起こることを示した。ε型PKC精製標品によるin vitroリン酸化実験により、II型ケラチンが特異的にリン酸化されることを示した。また、免疫沈降と二次元電気泳動によって非リン酸化とリン酸化ケラチンを分離精製し、MALDI-TOF/MSとナノスプレータンデムMSによる詳細な質量分析で、約80%のアミノ酸配列を同定し、II型ケラチンのHeadドメインN末領域にε型PKCによるリン酸化部位が存在する可能性を示唆した。本年度は、N末のペプチドを合成してin vitroによるリン酸化の解析を行い、ナノスプレータンデムMS分析によってリン酸化部位を特定した。更に、リン酸化部位特異的抗体を作成して、ε型PKC過剰発現細胞株において内在性ケラチンのリン酸化が上昇していることを確認した。また、ε型PKC過剰発現細胞株ではホルモン分泌などの幾つかの生理的変化が観察されたことから、これらのいずれかにII型ケラチンのリン酸化上昇が関与していることが示唆された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Kitagawa, K. et al.: "The second phase activation of protein kinase C δ at late G1 is required for DNA synthesis in serum-induced cell cycle progression."Genes to Cells. 8. 311-324 (2003)
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[Publications] Shibahara, T. et al.: "Mass spectrometric analysis of expression of ATPase subunits encoded by duplicated genes in the 19S regulatory particle of rice 26S proteasome."Arch Biochem Biophys. 421. 34-41 (2004)